更新日:2026年3月25日

つわり中でも食べやすい食べ物とは?避けたい食べ物と食事のコツ

妊娠初期のつらい時期、つわり中でも食べられる食べ物を探している方は多いのではないでしょうか。吐き気やにおいへの敏感さなど、症状には個人差がありますが、食べやすい食べ物を選んだり、食べ方を工夫することで、つわりのつらさを和らげることができます。

この記事では、つわりの主な症状や時期の解説に加え、具体的なおすすめの食べ物や飲み物、避けたい食べ物について紹介します。無理せず取り入れられる方法を見つけ、つわりがつらい時期を少しでも快適に過ごすヒントにしてください。

監修

馬場 敦志 先生

宮の沢スマイルレディースクリニック 院長

INDEX

つわりの症状と時期の基礎知識

つわりとは、妊娠初期に見られる吐き気や食欲不振などの症状のことです。つわりが始まる時期や症状の重さには個人差があります。

明確な原因やメカニズムは不明ですが、ホルモンバランスの変化やホルモンによる脳の嘔吐中枢への刺激などが関係していると考えられています。

つわりの主な症状には個人差がある?

つわりの症状としては、吐き気や嘔吐、食欲不振などが挙げられますが、症状の種類や度合いは人によって大きく異なります。

代表的な症状には「吐きづわり」「食べづわり」「においづわり」があります。吐きづわりでは嘔吐や気分の悪さが続くことがあり、食事が摂れなくなることがあります。食べづわりは空腹になると気持ち悪くなり、何か食べていないと気分が悪くなるのが特徴です。においづわりは、これまで平気だったにおいが突然気持ち悪く感じられるなど、においに敏感になるのが特徴です。

そのほかにも、唾液が増える、強い眠気や倦怠感、頭痛、食べ物の好みの変化など、さまざまな症状が現れる場合があります。また、環境の変化やストレスなど精神的な要因によって症状が悪化することもあります。

つわりが重くなると、嘔吐を繰り返すことにより脱水や体重減少、栄養不足に陥ることがあり、この状態は「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれます。妊娠悪阻が疑われる場合は、医療機関での治療が必要になることもあります。

つわりはいつからいつまで?

一般的に妊娠4~6週ごろから始まり、9~10週ごろに症状のピークを迎えます。その後は14~16週ごろまでには落ち着くことが多いですが、期間には個人差があるため、この時期を過ぎても症状が続く場合があります。また、妊娠後期になると、子宮が大きくなり胃が圧迫されることで、つわりに似た症状が現れることもあります。

つわりがあるときにおすすめの食べ物・飲み物

つわりのときは、基本的に食べられるときに食べられるものを摂取すれば大丈夫です。特に吐き気を和らげる食べ物や、消化のよい食べ物を選ぶとよいでしょう。ここでは、おすすめの食べ物と飲み物、水分補給をする際の工夫についても紹介します。

さっぱりした口当たりの食べ物

果物やヨーグルト、ゼリーなど、さっぱりとした口当たりのものが食べやすい傾向があります。梅干しや酢、レモンなどの酸味のある食品は、口の中をすっきりさせ、気持ち悪さを軽減してくれます。果物やゼリーは水分とエネルギーを同時に補給できる点もメリットです。

消化にやさしい食べ物

おかゆ、うどん、スープなど、胃に負担をかけにくい食べ物は、つわりのときでも取り入れやすくおすすめです。おかゆやうどんは、普段より長めに煮込んで柔らかく仕上げると、さらに消化しやすくなります。また、生姜には胃腸の不調を和らげたり、吐き気を抑えたりする働きがあると報告されているため、料理に少量加えるのもよいでしょう。

においが気にならない食べ物

冷ましたおにぎりやパン、そうめん、豆腐などのにおいが立ちにくい食べ物は、つわりでにおいに敏感になっている時期でも比較的食べやすいとされています。

飲みやすい飲み物と水分補給の工夫

嘔吐がある場合は、脱水を防ぐために水分補給をすることが大切です。脱水予防には、水に塩分とブドウ糖を溶かした経口補水液が効果的ですが、炭酸水やレモン水など、口の中がさっぱりする飲み物のほうが飲みやすいこともあります。

また、ミントや生姜にはつわりの軽減が期待できるという報告もあり、ミントティーやジンジャーティーなどのハーブティーを試してみるのもよいでしょう。ただし、ハーブの中にはカモミールやアロエなど、子宮を刺激する成分を含むハーブもあるため注意しましょう。

つわりのときは、常温や温かいものが飲みにくく、冷たいものが飲みやすいという場合もあります。果物やゼリーで水分を補うのも一つの方法ですが、体を冷やし過ぎないように気をつけましょう。

水分を摂る際は、一度にたくさん飲むのではなく、少量ずつこまめに摂ることで胃腸への負担を軽くすることができます。また、ストローを使って飲むと香りが鼻に届きにくくなり、気持ち悪さが抑えられることもあります。

つわりがあるときは避けたほうがいい食べ物・飲み物

ここでは、つわりを悪化させる可能性のある食べ物について紹介します。

脂っこい、刺激がある食べ物

揚げ物や辛い料理など、脂っこい食べ物や刺激がある食べ物は、胃腸に負担がかかり、吐き気を悪化させる可能性があります。胃腸に負担がかかると、胃もたれや胸やけにもつながる場合もあるので注意しましょう。

においが強い食べ物

妊娠中は嗅覚が敏感になりやすいため、ニンニク、ねぎ、カレー、焼き魚など、においの強い食べ物は吐き気や嘔吐を引き起こすことがあります。

冷たすぎる、または熱すぎる飲み物

つわりの時期は胃腸が敏感になっているため、極端に冷たい飲み物や熱い飲み物は刺激となり、胃腸の動きを乱したり、吐き気を引き起こしたりする可能性があるので注意が必要です。

妊娠中に避けたい食べ物・飲み物

ここでは、妊娠中に避けたい食べ物や飲み物について紹介します。

食中毒のリスクがある食べ物

妊娠中はホルモンの変化によって免疫機能が低下しやすいため、つわりの有無に関わらず、食中毒のリスクがある食品には注意が必要です。特に、加熱していない肉や魚、ナチュラルチーズなどの未加熱食品は避けるようにしましょう。

カフェイン、アルコール類

カフェインの過剰摂取は消化器系に負担をかけ、吐き気を引き起こす可能性があります。コーヒーだけでなく、お茶やエナジードリンク、栄養ドリンクにもカフェインが含まれているため、知らず知らずのうちに摂りすぎてしまわないよう注意が必要です。

また、妊娠中にカフェインを摂り過ぎると、胎児の発育に影響する可能性があります。カフェインの安全な摂取量は判明していないため、可能であればカフェインの摂取を控えることをおすすめします。

なお、2012年のカナダ保健省の発表によると、妊娠している女性はカフェインの摂取を最大300mg/日(マグカップで約2杯)までにすることが望ましいとされています。

また、妊娠中の飲酒は、胎児の発育障害や先天異常のリスクを高める可能性があるとされています。つわりの有無に関わらず、妊娠中はアルコールの摂取を避けるようにしましょう。

つわりのときに摂取したい栄養素

妊娠中に重要な葉酸や鉄分、ビタミンB6など、つわりのときに意識して摂りたい栄養素を紹介します。

葉酸

葉酸は、胎児の神経管の発達に重要な栄養素です。特に妊娠前(妊娠1ヵ月前)から妊娠初期(妊娠3ヵ月頃)にかけて、十分に摂取する必要があるとされています。

緑黄色野菜や果物などの食品から葉酸を摂ること(推奨量:0.24mg/日)に加え、サプリメントなどで追加摂取すること(追加量:0.4mg/日)が望ましいとされています。妊娠中期以降は、通常の食事からの推奨量(0.24mg/日)に加え、同量(0.24mg/日)をさらに摂ることが推奨されています。

ただし、葉酸の過剰摂取は健康障害を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

鉄分

妊娠中は血液量が増加するため、妊娠前より多くの鉄分が必要とされています。鉄分は赤身の肉や魚、大豆、ひじきなどに多く含まれているため、意識して摂取するようにしましょう。また、ビタミンCは鉄分の吸収を助けてくれるため、ビタミンCを多く含む緑黄色野菜などと一緒に摂ることがおすすめです。

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ビタミンB6

ビタミンB6は、神経伝達物質の合成やたんぱく質の代謝、赤血球やホルモンの産生など、体内でさまざまな重要な働きを担っています。不足すると、神経障害のほか、食欲不振や吐き気、嘔吐などの症状が現れることがあります。

また、ビタミンB6の摂取によりつわりの緩和が期待できるという報告があり、妊娠悪阻の治療にビタミンB6が投与されることもあります。

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食事で摂りにくい場合の工夫

つわりがあるときは、無理に食べようとせず、体調のよいタイミングで少しずつ食べることが大切です。十分に食事が摂れない場合は、無理なく栄養を補う手段として、ビタミン剤を活用するのも一つの方法です。

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つわりを乗り切るための食事のコツ

つわりの時期は食欲の波が大きく、普段どおりに食事を摂るのが難しいことも。ここでは、つわりと上手に付き合うための具体的な食事のポイントをご紹介します。

食べられるものを食べられるときに

つわりの時期は吐き気などで食欲にムラがあり、普段どおりに食事を摂るのが難しいこともあります。そうした場合でも、基本的には無理せず食べられるものを、食べられるタイミングで少しずつ摂ることを意識しましょう。「赤ちゃんのために栄養バランスを完璧にしなければ」と思い詰めず、つわりが落ち着いた後にバランスのとれた食事を心がければ大丈夫です。

ただし、何も食べられず水分も摂れなくなると、栄養障害や脱水で全身の状態が悪化する「妊娠悪阻」になることがあります。水分が摂れない、急激な体重減少がある場合には、早めに医師に相談しましょう。

小分けにして頻繁に食べる

空腹時に気分が悪くなる「食べづわり」の場合は、1回の食事量を少なめにして、こまめに食べることがポイントです。その場合はエネルギーの摂り過ぎにならないよう、カロリー控えめの食べ物を選ぶとよいでしょう。あめやガムのように口の中に長くとどまる食品もおすすめです。

冷たくしてにおいを抑える

温かい食べ物は湯気とともににおいが強く感じられる場合があります。そうしたときは、調理後にしっかり冷ますと食べやすくなることがあります。

また、においの強い食材を避け、味付けをシンプルにするなど、香りを抑える工夫を取り入れるとよいでしょう。

水分補給をこまめに行う

つわりによる脱水を防ぐため、水分補給は意識してこまめに行うことが大切です。水の代わりに水分の多い果物や野菜を摂るのもおすすめです。

水や食べ物が摂りにくい場合は、氷を口に含む方法もありますが、体を冷やし過ぎないよう注意しましょう。自分に合った方法を見つけて、無理なく続けることが大切です。

「食べられるものを、食べられるときに」を基本に、焦らずつわりを乗り切ろう

つわりは多くの妊婦さんが経験するものですが、症状の程度や期間には個人差があります。食べられない日が続くと「赤ちゃんの発育に影響があるのでは」と不安になりますが、この時期は心配し過ぎる必要はありません。栄養バランスを整えるのは、つわりが落ち着いてからで十分間に合います。

「食べられるものを、食べられるときに、少しずつ」を基本にしましょう。口当たりがよくにおいの少ない食品や、消化にやさしい食材や調理法を選び、固形物を受けつけない場合でも、こまめな水分補給だけは意識しましょう。

また、食事量が減ることで不足しがちな葉酸や鉄分、つわり軽減に役立つとされるビタミンB6などは、サプリメントで補うのも賢い選択です。
つわりは永遠に続くものではありません。焦らず、自分の体調に合わせて無理のないペースで過ごし、この時期を少しずつ乗り切っていきましょう。

<参考文献>
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版) 妊婦・授乳婦」
  • 食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへ」

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