更新日:2024年8月27日
勉強に集中できない人必見!すぐに取り組める集中力アップの方法を紹介
勉強に集中できないとき、どうしていますか?受験や資格取得、スキルアップなどのために日々勉強していると、「効率的に勉強を進めたいのに全然集中できない…」という日もあるのではないでしょうか。
今回は、そんなときに試してほしい集中力アップの方法を紹介します。すぐに実践できる集中力アップの方法から、集中力を維持するためのポイント、効果的な食べ物まで幅広く紹介していますので、最後までぜひチェックしてみてください。
監修
山下 あきこ 先生
株式会社マインドフルヘルス 医学博士 神経内科・内科医師
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勉強に集中できないのはなぜ?原因を知って対策を立てよう
勉強に集中できない理由は、環境によるもの、動機や意欲によるもの、脳の働きによるものなどさまざまです。ここでは、集中力が低下する主な原因を紹介します。自分に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
集中しづらい環境で勉強している
勉強に集中しやすい環境は人によってさまざまですが、一般的に雑音や誘惑が多い環境だと気が散りやすいといわれています。例えば、ざわざわしているカフェや家族の声が聞こえるリビングだと集中できないという人もいるかもしれません。
また、勉強中にスマホ(スマートフォン)が気になって、通知などを確認してしまう人も多いのではないでしょうか。スマホやテレビ、漫画、ゲームといった誘惑が多い環境で勉強していると、ついつい他のことが気になってしまい、勉強に集中しづらくなります。
モチベーションが下がっている
勉強に対して喜びや達成感が感じられないと、モチベーションが下がり、集中できない原因になることも。思うような結果が出ないとき、勉強に身が入りづらいのは珍しいことではありません。
また、苦手科目など、勉強にネガティブな印象を持っていると、集中力は低下しやすくなります。目標や計画を立てていない場合も、勉強の目的や進み具合が把握しづらく、モチベーションが下がる原因になるでしょう。
脳疲労を起こしている
勉強に集中できないときには、「脳疲労」を起こしている可能性も。インターネットやデジタルデバイスが発達した現代は、さまざまな情報であふれているため、情報処理が追いつかず、脳が疲れやすくなっています。その結果、集中力が低下したり、ミスが増えたりするのですが、このような状態のことを脳疲労といいます。精神的なストレスや睡眠不足は、脳疲労の原因になるため、注意が必要です。
脳のエネルギー不足
環境やモチベーションだけでなく、脳のエネルギー不足が原因になっていることもあります。脳が正常に働くために必要な栄養素が不足していると、エネルギー不足になり、集中力が低下してしまいます。集中力を高めるには、脳のエネルギー源となるブドウ糖とブドウ糖を体内でエネルギーに変換してくれるビタミンB1をセットで摂取することが大切です。
人間が集中力を維持できる限界は約10分!?
そもそも、人の集中力はどのくらい維持できるものなのでしょうか。
諸説ありますが、「勉強を開始した直後の集中力を保てるのはおよそ10~15分」と結論づけている研究が多いようです。実験によっては、休憩を挟まずに勉強した場合、徐々に集中力が下がっていき、40分ほど経つと急激に低下したケースも。
勉強に集中できないのは、集中状態を維持できる学習時間の限界を超えているからかもしれません。集中力をできる限り低下させずに長時間勉強するためには、こまめに休憩を挟むことが大切です。
すぐに実践できる!集中力を今すぐアップさせる方法
ここからは、今すぐ集中したい!という人におすすめの方法を紹介します。すぐに取り組めるものばかりなので、ぜひ試してみてください。
スマホをできるだけ遠ざける
まずは、スマホをできる限り遠ざけましょう。スマホが近くにあると気になって集中できない、ついつい触ってしまうという人も多いのではないでしょうか。実際に、目に入るところや、すぐに手に取れるところにスマホを置いておくと、集中を妨げる原因になるといわれています。
勉強中は机に置かずバッグにしまう、別の部屋に置いておく、家族に預けるなど、視界に入らない場所に遠ざけておくと良いでしょう。手元に置いておく必要がある場合は、必要のない通知をオフにしたり、通知が来ない状態にするおやすみモードを有効にする方法を試してみてください。
タイマーを活用する
タイマーをかけて勉強するのもおすすめです。適度に休憩できるので、集中力が持続しやすくなります。
さらに、制限時間を設けることは学習効率アップにもつながります。設定時間は短めに。15分ごとに休憩を取ると、集中を保てるだけでなく、長期的な記憶力を高められる実験結果も報告されています。スマホを手元に置きたくない場合は、キッチンタイマーなどを活用するのも良いでしょう。
ToDoリストを作成する
忙しい日々を送っていると、タスクや心配事が頭をよぎり、一つのことに集中できないこともあるのではないでしょうか。そんなときは、やるべきことをToDoリストに書き出すのがおすすめです。リストにすると、タスクの量や優先順位が明確になるので、目の前のことに集中して取り組めるようになります。
さらに、仕事や家庭、学校のことなど、勉強以外のものも一緒に管理すれば、気が散る要因を減らせます。終わったタスクに印をつければ、達成感を感じることができ、モチベーションアップにつながるでしょう。
軽く体を動かす
長時間、同じ作業を続けていると、集中力は低下するといわれています。また長い間、机に向かっていると、代謝が下がる、筋肉量が減る、血流が悪化しむくみなどを引き起こす原因にもなります。
勉強に集中できなくなったら、立ち上がって少し歩く、ストレッチをするなどの軽い運動をしてみましょう。なお、10分程度の軽い運動を行うことで、記憶力などの脳機能が上がることが研究によってわかっています。1)
1)Kazuya Suwabe, Kyeongho Byun, Kazuki Hyodo, et al. Rapid stimulation of human dentate gyrus function with acute mild exercise. PNAS, 2018 Sep 24; 115 (41):10487-10492.
マインドフルネスを行ってみる
マインドフルネスとは、「今まさにここにいる自分」に意識を向け、脳を休ませること。ストレスを感じる状況でも、脳の疲れを回復させ、集中力を高めることができます。やり方はいろいろありますが、深呼吸から始めるのがおすすめです。
まずは、リラックスした体勢で鼻呼吸を繰り返し、意識を呼吸に向けます。意識が他のことにそれてしまったら、呼吸の方に戻しましょう。呼吸以外にも、景色や音に集中するのも効果があります。
ブドウ糖とビタミンB1を補給する
集中できない原因が脳のエネルギー不足なら、ブドウ糖とビタミンB1を補給することで改善できる可能性があります。
ブドウ糖は脳の主要なエネルギー源で、ごはんやパンなどの糖質からつくられる糖類の一種です。このブドウ糖をエネルギーに変換するには、ビタミンB1が欠かせません。ビタミンB1が不足すると、脳のエネルギーをつくり出せず、疲れやすくなったり、集中力が低下したりすることも。そのため、ブドウ糖とビタミンB1はセットで摂取することが重要です。
ブドウ糖を摂取するには、ブドウ糖やショ糖などの糖類を主成分とする甘いものを食べると良いでしょう。ぶどう、バナナ、ラムネなどは、調理なしで摂取できるのでおすすめです。一方ビタミンB1は、豚肉やウナギなどに多く含まれていますが、ぶどうやバナナにも含まれています。まずは、こうした食品を勉強中の栄養補給に取り入れてみましょう。
ただし、食事にともなう急激な血糖値の上昇は、集中力を低下させる原因になることもあります。次の章で解説する「血糖値の急激な変化を起こさないためのポイント」をチェックした上で、糖質を適度に摂取するようにしましょう。
また、ビタミンB1を食事から摂取するのが難しい場合や、勉強の合間に手軽に補給したいときは、栄養ドリンクやゼリー状飲料を活用するのも一つの手です。ビタミンB1だけではなく、ビタミンB1よりも体内への吸収が優れた誘導体※(フルスルチアミンなど)を配合した医薬部外品などもあるのでチェックしてみてください。疲労回復や集中力の改善に役立つでしょう。
※もとのままの形では作用を示さず、体内で代謝されることによって効果を発揮する薬のこと
- <疲労回復や集中力の維持改善に役立つアリナミン製品のドリンク剤>
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【勉強方法から食事法まで】日常に取り入れたい集中力維持のポイント
ここからは、集中力を維持させるために、日常に取り入れたい6つのポイントを紹介します。勉強方法から、体に必要な栄養素まで、さまざまな観点から解説していますので、最後までぜひチェックしてみてください。
勉強の仕方を工夫する
集中できる勉強方法は人それぞれ。そのため、自分に合った勉強方法を見つけることが大切です。具体例として、おすすめの勉強方法を3つ紹介します。工夫次第では、集中力が高まって効率アップにつながるかもしれません。ぜひ一度試してみてください。
・目標と計画を立てる/定期的に見直す
まずは、「何のために勉強するのか」目的を明確にして目標を設定しましょう。次に、そこから逆算して長期的な計画を立てます。目標達成までの筋道が定まっていると、ブレずに集中して取り組めるようになるでしょう。
また、最終的なゴールに向けて、小さな目標を設定すると、達成感が得られやすく、モチベーションアップにもつながりやすくなります。計画通り進まない場合は、原因を分析して計画を修正すると、さらに効率化できるでしょう。
・隙間時間を活用する
仕事や家事、部活などが忙しく、「勉強に集中するためのまとまった時間が取れない…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。まとまった時間が取れなくても、隙間時間に勉強することを習慣化すると、勉強の総時間を増やすことができます。
コツとしては、使えそうな隙間時間がないか検討し、通勤・通学中や食事の後など、毎日の習慣に勉強時間を組み込むこと。さらに、勉強道具を手元に置いておく、持ち運びしやすいように小さめのノートを使う、といった工夫を行うと、すぐに勉強に取り掛かることができます。集中力は短時間で低下するため、空いた時間にサクッと勉強を済ませると、日々の達成感と共に勉強の能率を上げることにもつながるでしょう。
・自分に合った勉強方法を見つける
机に向かって参考書や教科書を開いているだけでは、集中しづらいという人も多いのではないでしょうか。
近年では、学習用のアプリや動画を活用して勉強している人も増えています。アプリを使ってゲーム形式で学んだり、講義形式で分かりやすく発信している動画からインプットを行ったりすれば、集中力を維持しながら楽しく勉強できるでしょう。また、こうした方法は移動時間や隙間時間にも行いやすいので、短時間の集中を積み重ねることができます。
他にも、音読してみる、友人と問題を出し合う、図やイラストを使って視覚的に理解する、といった方法もおすすめです。
また、理解が追いつかない内容や時間をかけても解けない問題ばかりだと、ストレスが溜まり、集中力を維持させるのが難しくなってしまいます。そこで試してほしいのが、基礎の定着を図り、徐々に難易度を上げていく方法です。まずは、過去問を解いて採点したり、テストを受けたりして、自分の今のレベルを確認しましょう。自分のレベルに合わせて勉強すると、達成感が得られやすく、集中しやすくなります。質問できる環境があれば、積極的に活用しましょう。つまずいたときは無理せず一つ前のレベルに戻す、学習したことの定着を図るために繰り返し復習することも大切です。
勉強する環境を見直す
集中力は環境に左右されやすいため、勉強する環境の見直しも大切です。まずは、自分が集中しやすい環境を知ることから始めましょう。
自宅だと他の誘惑に負けてしまう人や、静かな場所の方が集中しやすい人は、図書館や学習室、コワーキングスペースを利用するのがおすすめです。人によっては、家族のいるリビングやざわざわしたカフェなど、環境音がしたり、人に見られたりする環境の方が、集中力がアップする場合もあります。いつもとは違う場所で勉強してみると、何か発見があるかもしれません。
また、勉強する場所を変えると、脳がポジティブな刺激を受ける場合もあります。集中力が切れたら、別の場所に移動してみるのも良いでしょう。
さらに、部屋の温度が暑すぎたり寒すぎたりすると、集中を妨げる原因になることも。研究によっては、室温が25度から27.5度に変化しただけで、作業効率が急激に下がったという報告もあります。勉強に集中するには、自分が快適に勉強できる温度や湿度、明るさなどを知ることも大切です。
モチベーションを高める
集中力を維持するには、勉強へのモチベーションも欠かせません。勉強自体を楽しめるようになると、自然と集中できるようになるでしょう。勉強を楽しむための具体的な方法としては、以下のような例が挙げられます。「これならできそう」と思えることから、取り入れてみてください。
<勉強を楽しむための方法>
- ・何のために勉強しているのか、目的を再確認する
- ・勉強が終わった後や目標を達成した後のご褒美をつくる
- ・ゲーム感覚で問題を解く/タスクを終わらせる
- ・一緒に勉強できる仲間をつくる
- ・勉強の成果が報われたときの達成感を想像する
- ・時々気分転換に好きなことをする
休憩を意識的に取る
勉強中はこまめに休憩し、集中力が途切れないようコントロールすることが大切です。休憩中は、忘れがちな水分補給を行ったり、遠くをぼんやり眺めて目の疲れを軽減したりすると良いでしょう。昼食後など、眠くて集中できないときは20分程度昼寝するのもおすすめです。ただし、30分以上昼寝をすると夜の寝つきが悪くなるため、早めに切り上げるようにしましょう。
血糖値を意識した食生活を送る
集中力を維持するには、毎日の食事を見直して、ブドウ糖やビタミンB1をはじめとする栄養素をバランスよく摂取することが重要です。食事のバランスに加えて、血糖値を意識できると、集中力を維持しやすい体をつくることができます。
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のこと。健康な人であれば、食事の前後を除き、体内で一定の値になるようコントロールされています。血糖値が低くなると、脳のエネルギーが低下。その結果、空腹感を感じたり、集中力が低下したりします。かといって、血糖値を上げるために糖質を摂りすぎてしまうと、「グルコーススパイク」と呼ばれる血糖値の急激な上昇が引き起こされてしまうことも。血糖値が急上昇すると、一定値に戻そうとする「インスリン」というホルモンが大量に分泌され、眠気や倦怠感が引き起こされてしまうのです。
そのため、集中力を維持するためには、血糖値が急激に変化しないような食生活を送る必要があります。以下のポイント参考に、食事に注意してみましょう。
<血糖値の急激な変化を起こさないためのポイント>
・食事を抜かない
食事を摂らない回数が増えるほど、血糖の急激な変化が起こります。特に朝食を抜くと血糖値が上下しやすくなるので、朝ごはんを食べるよう心がけましょう。また、欠食回数が多いほどに低血糖や空腹でイライラしてしまう時間が増えたり、逆に食後の血糖が急激に上がりすぎてしまい眠気・倦怠感の原因となることも考えられます。
・一品で済ませない
麺類や丼ものなど、炭水化物の割合が多く、早食いになりやすいメニューです。副菜や汁物のついた定食で、栄養をバランスよく摂取しましょう。
・野菜から食べる
野菜に多く含まれる食物繊維は、ブドウ糖の消化・吸収を緩やかにする作用があります。食事の際は野菜から先に食べるようにしましょう。
・よく噛んで食べる
食べすぎや早食いは血糖値の急激な上昇を招きます。よく噛んで食べるようにしましょう。
・低GI食品を取り入れる
食後の血糖値上昇を緩やかにしてくれる低GI食品を取り入れてみましょう。玄米、全粒粉パン、そばなどが挙げられます。また、間食としてナッツやチーズ、ヨーグルト、ほしいもなどは低GI食品の中でも手軽に取り入れやすいでしょう。ただし、ナッツやチーズには脂質や塩分なども多く含まれているので、適量を賢く摂りましょう。
睡眠を十分に取る
寝不足だと勉強に集中できないという人も多いのではないでしょうか。睡眠が不足していると疲れが取れず、脳疲労を起こす原因になります。脳は日中学習した情報を寝ている間に定着させるので、記憶力アップの面でも睡眠は大切です。
理想的な睡眠時間は、個々人により異なるものの、一般的に6〜8時間といわれており、勉強時間の確保のためだけでなく、さまざまな理由から睡眠時間を削っている場合、“日中の集中力の低下”だけでなく“寝つきが悪くなる”“眠りが浅くなる”ことも懸念されます。さらに、リラックスタイムや余暇の時間を削ってしまっている場合にはストレスから“抑うつ”といった他の問題も発生するため、睡眠時間・勉強時間・余暇の時間の配分を見直し、1日の中での適切なスケジューリングが必要です。
忙しくて睡眠が十分に取れていない場合は、30分以内の仮眠を取るのがおすすめ。集中力アップが期待できます。
- <日常生活における栄養不良に伴う目覚めの悪さ・眠りの浅さの改善にアリナミンからのおすすめ製品>
集中力を高めて勉強を効率的に進めよう!
勉強を効率的に進めるのに必要な「集中力」ですが、維持するには、勉強方法や勉強する環境を改善したり、こまめに休憩を取ったりすることが大切です。サクッと集中したいときは、スマホを遠ざけたり、タイマーを活用したりして、目の前のことに集中できる環境をつくりましょう。
また、脳のエネルギー不足や脳疲労が原因で勉強に集中できていない場合は、バランスの良い食事を3食摂るとともに、糖質やビタミンB群を含む栄養ドリンク、ゼリー状飲料を活用するのもおすすめです。
勉強に集中できない理由や効果のある対処法は人によってさまざま。これを機に、自分に合った対策を見つけてみてください。
- <監修者(山下あきこ)サイト>
- <参考文献>
- 教育心理学フォーラム・レポート「学習へのやる気低下の理由と動機づけ調整方略の関連」梅本
- パーソナリティ研究2012「大学生における動機づけ調整方略」第21巻, 第2号, 138–151, 梅本・田中