更新日:2024年6月26日
ブドウ糖がもたらす効果とは? 脳との関わりや含まれる食べ物も紹介
人が生きていくうえで必要なエネルギー源であるブドウ糖。ビタミンB群や、ビタミンB1誘導体の「フルスルチアミン」と一緒に摂取することで、脳のエネルギー源として働きます。特に、集中力の維持・改善には、ブドウ糖とビタミンB群、どちらの摂取も欠かせません。
今回は、ブドウ糖が私たちにもたらす効果や、脳との関係性、ブドウ糖が含まれる食べ物などについて紹介します。これまで、疲労や集中力の低下から仕事がはかどらない経験をしたことがある人は、この記事を参考に日々のブドウ糖の摂取方法を見直してみてはいかがでしょうか。
監修
川島 隆太 先生
東北大学加齢医学研究所 教授
INDEX
ブドウ糖とは?
ブドウ糖とは、自然界に最も多く存在する代表的な単糖類で、動植物が活動するためのエネルギーとなります。特に、脳がエネルギーとして利用できる唯一の物質とされ、人体にとって重要な栄養素です。一般名は「グルコース(英: glucose)」ですが、ぶどうから発見されたことから、日本語では「ブドウ糖」とも呼ばれています。
そんなブドウ糖は、私たちが普段主食としてよく食べている、炭水化物を構成しています。炭水化物は、糖質と食物繊維にわけることができ、体内に吸収されてエネルギー源になるのが糖質です。日本人の一般的な食事では、摂取エネルギーの60%前後を糖質が占めており、ごはん、パンや麺などの小麦製品の他、じゃがいもやさつまいも、とうもろこしなどにも含まれています。
炭水化物 | ||||
---|---|---|---|---|
糖質 | 食物繊維 | |||
単糖類 | 二糖類 | 少糖類 | 多糖類 | ・水溶性食物繊維 ・不溶性食物繊維 |
・ブドウ糖 (グルコース) ・果糖 ・ガラクトース | ・砂糖(ショ糖) ・乳糖 ・麦芽糖 | ・オリゴ糖 | ・でんぷん ・グリコーゲン |
炭水化物の構成要素をみていくと、ブドウ糖は糖質中の、単糖類に分類されます。料理やお菓子などによく使用される砂糖(ショ糖)は二糖類で、ブドウ糖と果糖が結合したもの。少糖類は「オリゴ糖」とも呼ばれ、腸内の善玉菌を増やす効果があるため、健康に役立つことが期待できる「特定保健用食品」にも利用されています。また、多糖類の代表的なものとして挙げられるのは、でんぷんやグリコーゲン。どちらもブドウ糖が多数結合したもので、体のエネルギー源となります。
食物繊維も多糖類から構成される炭水化物ですが、消化されないため、エネルギー源にはなりません。
ブドウ糖の働き
食べ物から摂取される糖質は単糖類から多糖類までさまざまですが、いずれも消化吸収の過程でブドウ糖や果糖、ガラクトースなどの単糖に分解されます。ブドウ糖の一部は血液中を流れ、その他はグリコーゲンとして肝臓や筋肉などに蓄えられて、脳や筋肉などのエネルギーとして利用されるのです。
血液を通して送り込まれるブドウ糖(血糖)は、脳の主要なエネルギー源となります。脳がエネルギー源として利用できる栄養素はほぼブドウ糖のみ。このため、食事でブドウ糖を摂取し、エネルギーの供給が滞りなくできる状態を維持したいものです。
一方、肝臓に蓄えられたグリコーゲンは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度(血糖値)を一定に保ちながら、体内のあらゆる組織にブドウ糖を供給するのに役立ちます。
さらに、筋肉に蓄えられたグリコーゲンは「筋グリコーゲン」といわれ、筋肉を動かすときのエネルギーとして利用されます。体内のグリコーゲンのうち、約8割が筋肉に蓄えられるため、貯蔵量は肝臓より筋肉のほうが多くなります。筋グリコーゲンは、運動を長時間行うほど活動時のエネルギーとして消費されるため、運動をした直後には糖質をすみやかに補給して、筋グリコーゲンを蓄えることが大切です。グリコーゲンが適切に代謝され、エネルギーとなるために欠かせないビタミンB群も一緒に摂るのが理想的ですね。
血糖値とブドウ糖の関係
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のこと。健康な人の場合、食事の前後で血糖値は変化しますが、通常はホルモンの働きによって約70~140mg/dlの範囲に保たれています。
食後は、炭水化物などが消化吸収され、ブドウ糖となって血液に入るため、血糖値が上昇します。そのとき、体内ではすい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きにより、血液中のブドウ糖を体内に取り込んでエネルギー源として利用します。そして余分なブドウ糖をグリコーゲンへ変換して肝臓・筋肉へ蓄え、血糖値を下げようとします。
逆に、空腹時は、ブドウ糖がエネルギーとして消費されているために血糖値が下がります。すると、すい臓から分泌されるホルモン「グルカゴン」の働きによって肝臓に貯蔵されたグリコーゲンがブドウ糖に分解され、血糖値を元に戻します。このように血糖値が正常に保たれるためには、適切な量のブドウ糖が必要になってくるのです。
ブドウ糖がもたらす効果
ブドウ糖は脳や筋肉のエネルギー源として利用される他、私たちによい効果をもたらしてくれるものでもあります。ここでは、ブドウ糖を摂取することによって得られる代表的な下記の5つの作用についてみていきましょう。
- ①集中力を高める
- ②記憶力が向上する
- ③疲労を回復する
- ④気分の改善に役立つ
- ⑤精神の安定に役立つ
①集中力を高める
イライラしたり、集中力が続かなかったりして、やるべきことに手がつかないときは、脳のエネルギー不足が原因かもしれません。
脳や体を適切に働かせるためには、ブドウ糖の働きが不可欠。脳や神経系、筋肉の活動も、これらの主要なエネルギー源であるブドウ糖が支えているため、エネルギー不足が全身の疲労やだるさ、思考にも影響します。
ブドウ糖は、人々が健康に暮らし、仕事や勉強に集中できる充実した日々を送るためのエネルギーを得るうえで重要な栄養素だといえるでしょう。
②記憶力が向上する
ブドウ糖の摂取は脳の働きを助け、記憶力を高めるといわれています。
その結果を示す一例として、記憶障害がみられる高齢のげっ歯類(ラット・マウス)にブドウ糖を投与することによって、「記憶力が回復することができる」という報告がされています。1)
また、ヒトも同様に、学生などの若者を対象にした実験において、ブドウ糖摂取による記憶力の向上がみられたそうです。特に、数字処理に関する機能を高める可能性が示唆されています。2)
1)Korol, D.L., & Gold, P.E.Glucose, memory and aging. American journal of clinical nutrition, 67(suppl), 1998, 764-771.
2)内藤 まゆみ「ブドウ糖摂取による認知機能の向上」, 日本心理学会第70回大会, 2006
③疲労を回復する
勉強や仕事などで頭を使って疲れたときや、激しい運動後で体が疲れているときは、血糖値が低い状態になっているかもしれません。素早くエネルギーを補給して血糖値を上げるには、ブドウ糖の補給が最適です。
また、食事を抜いて体や脳を働かすためのエネルギーが補給できていないと、疲れやだるさを感じやすい場合も考えられます。1日を元気よく活動するためには、特に朝ごはんでブドウ糖を補給することを意識しましょう。体内でブドウ糖を利用するために欠かせないビタミンB1も一緒に摂るのがおすすめです。
コラム
疲れたときに甘いものが欲しくなる理由は?
疲れたとき、甘いものを食べたくなることはありませんか? それは脳からの指令によってブドウ糖を欲しているサインです。
食品の中には、食べてから血糖値が上がるまでに時間がかかるものがありますが、甘さのもとになる砂糖は消化吸収が比較的早いのが特徴。体内で砂糖がブドウ糖と果糖に分解され、果糖がさらにブドウ糖に変換されます。変換されたブドウ糖がすみやかに脳や体のエネルギー源となるため、疲れが回復するというわけです。
昔から「午後3時のおやつ」といいますが、これはタイミング的にも理にかなった習慣。例えば午後12時に昼食を取ると、午後3時までの3時間の間に血液中のブドウ糖はかなり消費され、血糖値が低い状態です。さらに、夜の食事までには時間があるため、間食として甘いお菓子や飲み物などでブドウ糖の補充が必要になる時間です。おにぎりやクッキー、飲料など、手軽にブドウ糖や砂糖を摂取するおやつタイムを設けてみてはいかがでしょうか。
覚えておきたいのは、ブドウ糖をエネルギーとして利用するためには、ビタミンB群も必要になるということ。おやつのタイミングでビタミンB群も意識して摂れると、なおよしですね。
④気分の改善に役立つ
ブドウ糖と果糖からなる「砂糖」を摂取することは、リラックス効果、気分の改善に役立つことが知られています。
2012年にCS.Johnらによって行われた研究では、神経に栄養を与え、活動を支える「グリア細胞」にブドウ糖が関与していることが示されています。3)
グリア細胞は、グルタミン酸(うまみ成分として知られるアミノ酸の一種)を取り込むと抗うつ状態になり、喜びといったプラスの感情をもたらすという特徴があります。一方で、グリア細胞がグルタミン酸を取り込めなくなるとうつ状態になり、不快感をもたらします。
このグリア細胞がグルタミン酸を取り込む際に必要なのが、ATP(アデノシン三リン酸:エネルギーの貯蔵・利用に関わる物質)であり、ATP生成には、ブドウ糖やビタミンB1が不可欠です。ブドウ糖は、糖代謝の過程でピルビン酸に分解され、その後アセチルCoAへと分解されます。アセチルCoAはTCA回路(クエン酸回路)に入り、ATPの生成に関与します。一方ビタミンB1は、この糖代謝の一部やTCA回路において、補酵素として重要な役割を果たします。
つまり、ブドウ糖やビタミンB1、フルスルチアミン(ビタミンB1誘導体)の摂取によってグリア細胞は活発に活動し、抗うつ状態をもたらすと考えられそうです。
3)Catherine S John, Karen L Smith, Ashlee Van'T Veer, ...Anita J Bechtholt-Gompf. Blockade of Astrocytic Glutamate Uptake in the Prefrontal Cortex Induces Anhedonia. Neuropsychopharmacology, 2012 Oct; 37(11): 2467–2475.
⑤精神の安定に役立つ
幸せを感じさせるホルモンとして知られるセロトニンは、神経伝達物質から受け渡される感情に関わる情報を制御し、不安・緊張をやわらげる働きがあります。このセロトニンは、脳で「トリプトファン」を材料として作られますが、脳にトリプトファンを送り込むためには、血中のインスリン濃度が高い状態になっている必要があります。
トリプトファンは、肉、卵、チーズ、魚などの動物性タンパク質に多く含まれています。インスリンはブドウ糖などを摂取した際に分泌されるため、セロトニンを生成するためには動物性タンパク質と一緒にブドウ糖や砂糖を摂り、トリプトファンを脳に送り込みやすい状態に整えることが大切です。
普段、肉や魚などのおかずと一緒にごはんやパンの主食を食べたり、食後に砂糖が使われたデザートを食べたり、砂糖入りのコーヒーを飲んだりしている人も多いでしょう。これは、セロトニンの分泌を促すのに、理にかなった食事内容だといえます。
ブドウ糖が二日酔いに効果的?
二日酔いは酒の飲みすぎが原因であることは明らかですが、頭痛・胃の痛み・寝つきの悪さなどの辛い症状がなぜ起きるのかについては、実はあまり分かっていません。
一説には、アルコールの摂取によって、ホルモンの分泌が変化することによる脱水や低血糖が関係しているのではないかと考えられています。加えて、二日酔いのときはアルコールを分解するために、エネルギーやビタミンを多く消費している状態です。脱水、およびこのエネルギー不足による低血糖状態が、二日酔い様症状の一つである「気持ち悪さ」「頭痛」などを引き起こしている場合があります。水分とともにブドウ糖、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂り、しっかり休養を取ることで回復を促しましょう。
ただし、ブドウ糖や砂糖の摂取は、二日酔いにともなう不快な症状に効果が期待できても、体内のアルコールやアセトアルデヒドの代謝には関わっていません。重ねてお伝えしますが、二日酔いの回復においては水分やビタミン、ミネラル補給をすることと、しっかり休養を取ることが欠かせません。
ブドウ糖の効果は食後何時間後から現れる?
ブドウ糖の効果が現れる時間は、摂取した糖質の種類によって異なります。ただし単糖類はより吸収が早いため、早ければ数分で脳まで届くとされています。逆に、多糖類は単糖類に分解されるまでに時間がかかるといわれており、効果が現れるまでに時間を要します。
ブドウ糖は不足しても摂りすぎてもよくない
ブドウ糖は、摂らなすぎても摂りすぎてもよくありません。
ブドウ糖を必要とする臓器は、脳や筋肉以外にもさまざま。赤血球や腎臓の髄質に至るまで、体のあらゆる部位でブドウ糖が働いています。そのため、1日に必要なブドウ糖の量は約150g、最低でも約100gが必要だとされています。しかし、1回の食事で肝臓に貯蔵できるブドウ糖の量は約60gと限界があります。1日のブドウ糖の必要量を確保するためには、1日3回の食事で定期的にブドウ糖のもとになる食品を摂取する必要があるのです。
ただ、ここで大切なのは、ブドウ糖の不足が体の機能に影響する一方で、ブドウ糖の過剰摂取でもリスクを高めてしまう恐れがあるということ。以下では、ブドウ糖が不足した場合と、摂りすぎた場合に起こる健康へのリスクを紹介します。
ブドウ糖が不足すると?
脳は、昼夜、活動時・休息時を問わず、ほぼ一定の速度でブドウ糖を消費しており、脳だけで1日に120gものブドウ糖を消費するともいわれています。ブドウ糖が不足すると、脳や神経への栄養が行き届かなくなるため、判断力や集中力が鈍ったり、疲労を感じやすくなったりといった体への影響が生じます。
また、人が生きていくために欠かせない三大栄養素は「炭水化物」「タンパク質」「脂質」です。分解されるとブドウ糖になる炭水化物がエネルギー源となることは前述したとおりですが、タンパク質や脂質も体を動かすためのエネルギー源として利用できるようになっています。ブドウ糖が適切に摂取できていないと、筋肉などを構成する役割を持つタンパク質が炭水化物の代わりにエネルギー源として使われることになり、筋肉量の減少や基礎代謝の低下につながることも。ダイエットなどを目的に主食や砂糖などの炭水化物を控えている人もいるかもしれませんが、エネルギー不足からかえって肥満になりやすい体質につながる可能性があります。
さらに、ブドウ糖が不足して血糖値が正常範囲以下になる「低血糖」の状態についても知っておきましょう。食事の量が少なかったり、激しい運動などによってエネルギーを消費したときに起きやすく、肝臓に貯蔵していたグリコーゲンが底をついて血液に糖分を補給できなくなり、体のエネルギーが不足した状態です。交感神経刺激ホルモンが作用して、冷や汗や体のだるさ、ふるえ、眠気などの症状が生じ、深刻な場合には昏睡状態になる危険もあり、ブドウ糖の不足しすぎには注意が必要です。低血糖の症状を感じたらすぐに糖分を摂取するなど、早めの対処が重要です。
ブドウ糖を摂りすぎると?
ブドウ糖は人間が活動するためになくてはならない栄養素ですが、ブドウ糖を摂りすぎると血糖値が急激に上昇します。血糖値を下げようとするインスリンの働きによってブドウ糖はエネルギー源として利用されたり、グリコーゲンへ変換されて肝臓・筋肉へ蓄えられることは先に述べましたが、さらに余剰分のブドウ糖は中性脂肪に変えられ、体内に蓄えられます。不規則な食生活や過栄養などによって中性脂肪の値が基準値より高くなると、脂質異常症の他、肥満、心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病の発症につながるため、注意が必要です。
また、糖質の多い食事や砂糖の入った飲み物を摂りすぎる習慣のある人は、糖尿病のリスクが高まります。糖尿病とは、インスリンの分泌不足や、作用の低下が原因で、血糖値が高いままの状態になる「高血糖」が慢性的に続く病気です。高血糖が長く続くと血管が傷ついて動脈硬化を引き起こす恐れがあります。その他、糖尿病や心筋梗塞、末梢神経障害、腎機能障害などさまざまな病気を発症する危険性が高まるため、日頃の食生活に気をつけたいものですね。
ブドウ糖を補給する方法
ブドウ糖を補給するためには、ブドウ糖が含まれる食品を食べるのはもちろんですが、体内で効率よく利用するために、ビタミンB1も一緒に摂るのがポイント。以下では、ブドウ糖やビタミンB1を摂れる具体的な食品を紹介します。
食品や飲み物から摂る
ブドウ糖は、ごはん、パン、麺類などの穀類、さつまいもやじゃがいもといったいも類など、炭水化物に多く含まれています。砂糖などの甘味料や、バナナ・リンゴなどの果物にも含まれていますが、甘いものを過剰摂取すると血糖値を急激に上げてしまうため、食べる量に気をつけてバランスよく摂取したいものです。
また、ブドウ糖を体内でエネルギーとして変換する際には、ビタミンB1が不可欠です。ビタミンB1は食品から摂ろうとしても、調理の過程で失われやすく、体内に吸収されにくいため、日々積極的に摂取することを心がけましょう。ビタミンB1の含まれる食品は豚肉やうなぎ、紅鮭、かつお節、豆乳や納豆などがあります。
フルーツジュース、野菜ジュース、栄養ドリンクなどは、ブドウ糖に加えビタミンB群、ミネラルなどが配合されているため、一つで必要な栄養素を摂ることができます。いつもの食事にプラスして、不足した栄養を補ってみてはいかがでしょうか。ただし、ジュースの飲みすぎには注意。糖分や塩分の摂りすぎにつながります。栄養ドリンクは目的に応じた効能があるため、製品に記載の用法・用量に従って飲むとよいでしょう。
栄養補助食品やサプリメントなどから摂る
栄養補給のために、ブドウ糖やビタミンB1、ミネラルなどが配合された栄養補助食品やサプリメントを利用するのもおすすめ。手軽に口にできるため、日常生活ではもちろん、運動時や食欲不振時の栄養補給などにも適しています。
コラム
ブドウ糖と一緒に摂ろう!ビタミンB群の補給方法について
前述してきたように、ブドウ糖をエネルギー源として利用するためには、ビタミンB群も一緒に摂る必要があります。
さまざまな食べ物に含まれているビタミンB群は、日々の食事の際に十分な量を摂取できるのがベストですが、栄養補助食品や医薬部外品に分類される栄養ドリンクなどから補給することも可能です。ビタミンB群や、ビタミンB1を体内により吸収されやすいように改善した「フルスルチアミン」を配合した製品を、普段の食事や甘いものと一緒に摂ることで、必要な栄養を補うことができます。
特に、医薬部外品の栄養ドリンクは「集中力の維持・改善」「疲労回復」などといった作用が期待できるものもあるため、仕事や勉強前など、頑張りたいときに活用するのも手です。なかには、産前や産後の栄養補給に適した製品もあり、自身の体調に合わせて選べるのもよい点ですね。活用する際には、製品に記載の用法・用量や注意事項を守りましょう。
毎日こまめにブドウ糖の補給を!
私たちの脳や筋肉などのエネルギーとして不可欠なブドウ糖。集中力が発揮できたり、記憶力が向上したりと、日々のパフォーマンスをよい状態に保つためにも大切な栄養素です。毎日3食きちんと食べて適切な量のブドウ糖を補給することが大切ですが、「疲れた」「集中できない」と感じたときに集中的に摂取するのもおすすめです。
また、ブドウ糖をエネルギーとして利用するためにはビタミンB1を中心としたビタミンB群が欠かせませんから、ブドウ糖を摂るときは、ビタミンB群も併せて摂るのを忘れずに。ぜひブドウ糖の補給を意識した食生活を送ってみてくださいね。
- <参考文献>
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf - 日心第70回大会,2006「ブドウ糖摂取による認知機能の向上」高崎経済大学経済学部 内藤まゆみ(著)
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」