寝ても寝ても眠いときに考えられる原因と予防法を解説

「しっかり寝たはずなのに眠い」「疲れが残って朝起きるのがつらい」「やる気が出ない」。そんな経験はありませんか。睡眠不足や睡眠の質の低下などの他に、実は過眠症や睡眠障害などが隠れている可能性もあります。今回は日中の眠気や疲労の意外な原因を探るとともに、日常生活で実践できる快眠のための対策をご紹介します。

監修

渡辺 恭良 先生

理化学研究所 生命機能科学研究センター 健康・病態科学研究チーム

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日中の眠気やだるさの原因とは

昼間、活動しなければならない時間帯に眠気におそわれて、「仕事に集中できない」「授業中に寝てしまう」など、睡眠トラブルで困った経験はありませんか。自分では寝たつもりでも睡眠不足かもしれません。あるいは睡眠に関わる病気が隠れている可能性もあります。まずは昼間に眠くなる原因を探ることから始めてみましょう。

日常生活から考えられる原因

■睡眠不足

日本人の標準的な睡眠時間は6時間以上7時間未満とされています。高齢者は若い人に比べて短く、日の長い夏は冬よりも短いなど、睡眠時間は年齢、季節、個人差によって変わりますが、必要な時間は6~8時間程度が妥当といわれています。そんな中、現代人は多忙で、横になってもストレスで寝付けないなど、睡眠時間が思うように確保できていない可能性があります。

また、睡眠不足の原因では、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」や夕方から深夜にかけて、足を動かさずにはいられなくなる「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」などの病気の可能性があるため、注意が必要です。

■睡眠環境

寝付きを良くし、睡眠の質を高めるためには適切な睡眠環境が重要です。寝室の温度や湿度は高すぎても低すぎてもなかなか眠ることができません。寝室の照明が明るすぎたり、白っぽい色味であったりすると睡眠の質が低下する可能性があります。また、騒音や物音は眠りを妨げる原因となります。

■生活習慣

毎日決まった時間に就寝し、決まった時間に起床するといった規則正しい睡眠リズムが大切です。そういった睡眠習慣がないと、生活リズムの崩れにより快眠を得づらくなります。シフト制の勤務や夜間勤務の場合はご自身の生活リズムに合わせて睡眠リズムを調整してみましょう。

過度の飲酒や喫煙は脳を刺激して睡眠を妨げる原因になるためおすすめできません。また、運動習慣がある人は不眠症が少ないことが分かっています。

■ストレス

精神的ストレスや身体的ストレスを感じていると、自律神経の交感神経系が刺激され副交感神経よりも優位になり、脳や体が興奮状態になって眠気が生じづらくなります。眠ることができた場合でも、交感神経系の優位により、脳の疲労を回復させるノンレム睡眠(深い眠り)が少なくなるため、眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまいます。

エネルギーの不足による影響

私たちの体には細胞の機能を修復する働きが備わっていて、十分なエネルギーがあれば、睡眠などの休息によって本来の機能が果たされ、疲れが回復します。ところがエネルギーが不足していると、細胞修復が間に合わず本来の機能を果たせなくなり、寝ても疲れがとれないと感じる状態に陥ります。エネルギーの源は糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素です。これらが不足するような過度な糖質制限やダイエットは注意が必要です。

女性ホルモンの影響

月経前に起こる月経前症候群(PMS)の症状の一つとして、黄体期(月経前2週間)にはプロゲステロン(黄体ホルモン)の増加により基礎体温が高くなり、一日の体温リズムにメリハリがなくなるため、日中に眠気が強くなることがあります。

閉経後は女性ホルモンの分泌量が大幅に減少することで、さまざまな更年期症状が生じます。その一つとして睡眠が浅く、短くなることがあり、その影響で日中に眠気が生じます。

妊娠の前期には、プロゲステロンの影響で日中の眠気が強くなる傾向があります。中期になると比較的安定しますが、後期には子宮の増大や収縮、胎動、頻尿、腰痛などにより中途覚醒(夜中に途中で起きてしまうこと)が生じやすくなり、睡眠が浅くなります。

過眠症

※以下の疾患は、医師の診断が必要です。下記疾患が心配な場合には、早めに医師の診断を受けましょう。

過眠症とは、睡眠中の呼吸障害など睡眠を妨げる病気がなく、夜間に十分な睡眠を取っているにもかかわらず、日中に起きていられない強い眠気が連日のように続く病気です。中枢神経の機能異常が原因と考えられ、ナルコレプシー、特発性過眠症、反復性過眠症があります。

■ナルコレプシー

日中に強い眠気と居眠りが繰り返し生じる病気です。食事中など通常は眠らない状況でも居眠りをしてしまい日常生活に支障をきたします。突然の体の筋力低下(情動脱力発作)、寝入りばなの幻覚(入眠時幻覚)、金縛り(睡眠麻痺)など、特徴的な症状が見られます。

■特発性過眠症

日中に眠気と居眠りを繰り返し、眠り込むと目覚めるまで1時間以上と長時間を要することが特徴です。目覚めの際に爽快感がなく、目覚めること自体が困難で、無理に目覚めさせると見当識障害(時間や場所が分からなくなること)を生じることもあります。

■反復性過眠症

1日の大半を眠り続ける状態(傾眠期)が3日から3週間続き、自然に回復してまったく症状がなくなった後、不定の間隔で傾眠期が繰り返し生じる病気です。目を覚ましても夢を見ているような非現実感を訴える、食欲の増進または減退、性欲の亢進などをともなうことがあります。

日常生活で行える予防法

日中の眠気や疲労に対処するためには、睡眠の質を高めることが重要です。睡眠の質は、環境や運動、食事など日々の生活習慣を見直すことで改善が期待できます。

睡眠環境の見直し

寝室の温度、湿度、寝具、光、音などの環境は睡眠の質と関係するため、自分の睡眠に適した環境づくりが大切です。

室温と湿度は高すぎず低すぎず、寝具や寝間着を利用して適切に保つようにします。

光には覚醒作用があります。夜の照明は白っぽい昼光色ではなく、夕日色のようなやわらかい光が望ましいとされています。光の影響はパソコンや携帯電話の液晶画面でも同様です。寝る30分ぐらい前からは液晶画面を見ないようにしましょう。

また、騒音は寝付きを悪くするだけでなく、深夜の覚醒を増加させる原因にもなります。騒音を排除できない場合は耳栓を利用するのも一つの方法です。

寝る前に、好きな音楽を聴く、気に入った香りに包まれるなど、リラックスタイムを設けて過ごすのもよいでしょう。

適度な運動とバランスのよい食事

散歩や軽いジョギングなど適度な運動を毎日続けると寝付きが良くなり、深い眠りが得られるようになります。

また、いくら寝ても疲労が回復しない場合は、原因としてエネルギー不足も考えられます。疲労回復にはバランスの取れた栄養摂取が必要です。特に糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素と、これらをエネルギーに変えるビタミンB群は意識して摂るようにしましょう。

睡眠の質を高めるためには体内時計(概日リズム)の調整がカギ

睡眠の質を高めるためには体内時計(概日リズム)の調整が大切です。朝食は目覚めを促し、睡眠と覚醒のリズムにメリハリがつくため、きちんと摂りましょう。

慢性的な睡眠不足が続いて、その「負債」が蓄積され心身に支障をきたした状態を「睡眠負債」といいます。

体内時計(概日リズム)の周期は約25時間であることがわかっていますが、地球の1日の周期は24時間のため、体内時計とは約1時間のずれが発生します。日常生活ではさまざまな刺激(同調因子)を受けることにより、体内時計が外界の周期に同調して約1時間のずれが修正されています。その中でもっとも強力な同調因子は光であり、その誤差を調節するのに大きな役割を果たしているのが朝日です。朝、太陽の光を浴びることで、ずれた時間がリセットされ、毎日同じ時間に眠くなり、同じ時間に起きるようにしています。

また、眠りを促すホルモンであるメラトニンは、光を浴びると分泌が抑制されます。朝の光を浴びてから約14時間後に分泌されはじめ、夜に分泌が増えるとともに眠気が生じるようになります。その意味でも、朝の光を毎日浴びることは大切です。

避けるべき食べ物・嗜好品

コーヒーや紅茶・緑茶、チョコレートなどに含まれるカフェインには覚醒作用や利尿作用があるため、就寝前は控えるようにしましょう。

アルコールは寝付きを良くするものの、就寝前の少量の飲酒でも睡眠の後半(明け方)を障害する可能性があります。そのため、夜中に目覚めてしまいその後眠れなくなることで、睡眠の質の悪化を招きやすくなります。

就寝前の喫煙も、タバコに含まれるニコチンが刺激となって睡眠を妨げます。アルコールやタバコは生活習慣病の発症につながる可能性があるため、健康のためにも控えた方がよいでしょう。

また、就寝前の食事、特に脂肪の多い食べ物は消化活動が睡眠を妨げることになるため注意が必要です。

眠気が続く場合は医師に相談を

寝ても熟睡した感じがしない、一定時間眠ったにもかかわらず眠くなるなど、日中に眠気や疲労が続く場合、今回ご紹介したようにさまざまな原因が考えられます。

特に過眠症などの病気の場合は注意が必要です。他にも、睡眠障害の中にはうつ病が関連するものもあるため、医療機関で検査や治療が必要になることもあります。いろいろな対策を講じてみても眠気が続いてしまう場合は、一度、医師に相談することをおすすめします。

疲労回復・能率アップには毎日の十分な睡眠が大切

眠気防止や疲労回復には、睡眠の時間だけでなく睡眠の質が重要になります。睡眠の質が低下すると、体だけではなく脳にも疲労が蓄積されて十分に活動することができなくなります。そのため、記憶力、判断力、集中力などの認知機能の低下を招き、結果、仕事や学業などの能率が落ちることにもつながりかねません。

また、生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の発症リスクを高め、症状を悪化させることもあります。逆にいえば、質のよい睡眠がとれるようになると、疲労回復はもちろん、さまざまなシーンでの能率もアップし、充実した日々を過ごすことが期待できるのです。

睡眠の質を改善させるためには、睡眠によいと考えられる栄養素の摂取がおすすめです。なかでも、食事から摂った糖質・脂質・タンパク質などの栄養素をエネルギーに変えるビタミンB群は意識したいものです。今は手軽に飲めて、睡眠を妨げるカフェインが含まれていない栄養ドリンクでも摂ることができるため利用するのもよいかもしれません。

<参考文献 >

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