更新日:2026年2月25日

ドーパミンとは?効果や自然な出し方を知ってやる気・集中力アップにつなげよう

「なんだか最近、やる気が出ない」「仕事や勉強に集中できない」 忙しい毎日を送る中で、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。その不調は、もしかすると「ドーパミン」の働きと関係があるかもしれません。ドーパミンは、やる気や集中力、快感、達成感といった感情や行動を司る重要な物質で、「脳の報酬系」に関与することでも知られています。ドーパミンが適切に分泌されないと、やる気が出なかったり、集中力が低下したりしてしまいます。この記事では、ドーパミンの基本的な働きや、やる気の維持・改善を図るための方法について解説します。

監修

山下 明子 先生

医療法人社団 如水会 今村病院 副院長

INDEX

ドーパミンとは、やる気や集中力に深く関わる神経伝達物質

ドーパミンは、脳内で分泌される神経伝達物質の一つです。神経伝達物質とは、神経細胞から他の細胞への情報伝達を担う化学物質のこと。ドーパミンは、何かを成し遂げたとき、心地よい・楽しいと感じたときに放出され、快感や喜び、意欲を生み出すことから、「報酬系」の神経伝達物質と呼ばれています。

また、「この先何かいいことがある」と感じたときにも放出され、やる気やモチベーションを抱かせる働きもあります。

ドーパミンは多すぎても少なすぎてもNG!

ドーパミンの分泌量 不足気味だと無気力・歩行障害・手の震えの症状、適度ではスムーズな動き・やる気み満ちている 過剰になるとより強い刺激を求めるようになり特定の行動への依存につながるイラスト

ドーパミンは、私たちの意欲や集中力を支える重要な物質で、分泌のバランスが崩れると、心身にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
ドーパミンの分泌が過剰になると脳がその刺激に慣れてしまい、より強い刺激を求めるようになってしまうのです。この状態が続くと、特定の行動への依存につながることも。

一方で、ドーパミンが不足すると、意欲が低下する、無関心になる、抑うつ気分になる、やる気が起きない、気分が落ち込むなどの影響が現れます。このように、ドーパミンは多すぎても少なすぎても心身のバランスを崩す原因となるため、自然に、適度な量が分泌されることが重要です。

コラム

ドーパミンの不足が関連する症状や病気

ドーパミンの不足は、いくつかの病気との関連が指摘されています。代表的なものがパーキンソン病です。パーキンソン病は、主に60歳以上の高齢者に発症することが多い病気で、歩行がぎこちなくなる、手の震えといった運動障害の他、やる気の低下、感情の起伏が少なくなるなどの症状が現れることもあります。

その他、脳内でのドーパミンの伝達異常が一因として疑われているものには、不注意や多動性・衝動性が特徴である、注意欠如・多動症(ADHD)があります。ドーパミンは、不足しないよう、あるいは適切な伝達のもと機能が正しく発揮されていることが大切です。

なお、ドーパミンはやる気やモチベーションの維持にも関わっていることが知られており、動物実験では、ビタミンB1の誘導体「フルスルチアミン」を投与すると、ドーパミンの分泌が高まり、前向きな気持ちや運動する意欲が高まることが確認されています。1)フルスルチアミンは、疲れに効く(抗疲労)成分として身体や脳の疲労に対して既に活用されていますが、今後、研究の広がりが期待されています。

1)Masato Saiki et al.: Sci Rep.;8,10469, 2018

ドーパミンがもたらす主な効果・体内での働き

ドーパミンは私たちの体にさまざまな効果をもたらしますが、その効果は働く経路によって異なります。

ドーパミンが働く経路は、

  • ・黒質(こくしつ)-線条体路(せんじょうたいろ)
  • ・中脳(ちゅうのう)-皮質路(ひしつろ)
  • ・中脳(ちゅうのう)-辺縁系路(へんえんけいろ)
  • ・隆起漏斗路(りゅうきろうとろ)

の4つに分類されます。

私たちに影響を与える身近なケースとしては、中脳-皮質路・辺縁系路を通り、報酬に対する応答として機能すると、快楽ややる気、達成感を感じるようになることです。

さらに、仕事や学習などで必要とされる「ワーキングメモリー(作業記憶)」にも関わっており、適切な量のドーパミンの分泌が促されることで、情報の記憶や処理がスムーズになり、作業効率の向上にもつながります。

また、ドーパミンは運動機能の調節にも重要な役割を果たしています。運動機能の調節は黒質-線条体路が関わっており、この経路がうまく働かなくなると、筋肉の動きがぎこちなくなったり、震えが出たりしてしまいます。

ドーパミンの自然な出し方ってあるの?

ドーパミンの分泌は多すぎてもよくないですが、適量の場合は、やる気や集中力の向上に役立ちます。ここでは、日常生活の中でドーパミンの自然な分泌を促すために、手軽に取り入れられる方法を紹介します。

ドーパミンの産生に関わる栄養素(チロシン、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸など)を摂取する

ドーパミンの不足を防ぐためには、ドーパミンの産生に関わる栄養素を摂取するとよいでしょう。

ドーパミンは、アミノ酸の一種であるチロシンから段階的に合成されます。チロシンは大豆製品やパルメザンチーズ、魚介類などのたんぱく質に多く含まれています。

また、神経伝達物質の合成には、ビタミンB6やナイアシン、葉酸といったビタミンが必要です。ビタミンB6は、さんまやバナナなどに、ナイアシンはマグロやたらこなどに、葉酸は牛レバーやほうれん草などに含まれています。これらの食品を、普段の食事にバランスよく取り入れるのが理想です。

特に、ビタミンB6はドーパミンの分泌への関与だけでなく、たんぱく質の代謝を助けてエネルギー産生に寄与したり、赤血球やホルモンの産生を助け、健康を維持することにも関わっています。健康な生活を行う上では、欠かせない栄養素のうちの一つなので、積極的に摂りたいですね。しかし、毎日食事から摂り続けるのが難しい場合は、ビタミンB6などを含むビタミン剤を活用するのも一つの方法です。

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好きな音楽を聴く

心地よいと感じる音楽を聴くと、脳の報酬系が刺激され、ドーパミンが放出されます。仕事や勉強の前に、お気に入りの曲で気分を高めるのは、手軽でおすすめです。

ごほうびを設定する

ドーパミンは「報酬」によって分泌が促されるため、「この仕事が終わったら好きなことをする」「1時間集中して勉強したら、好きな動画を1本見る」など目標とセットで小さなごほうびを設定するとよいでしょう。

「目標を達成できた」という成功体験と「快感」を結びつけることにより、脳が「努力=楽しいこと」と学習し、ドーパミンが放出され、次の目標へのモチベーションが自然と湧き上がるようになります。

ワクワクすることを考える

ドーパミンはよいことがあると思うだけで分泌量が増加します。そのため、分泌を促したいときは、自分がワクワクする具体的な場面を、臨場感を持ってイメージするのがコツです。

五感を活用して、見えるもの、聞こえるものを頭の中で思い浮かべながら、香りや感覚、食べ物であればどんな味かまで想像できるとよいでしょう。

セロトニンを出すための行動をする

セロトニンと呼ばれるホルモンには、ドーパミンの分泌を調整する働きがあります。セロトニンを分泌することによって、ドーパミンの過剰な放出を抑えられ、適正な量が分泌されることにつながります。

セロトニンの分泌を促すためには、太陽光を浴びることが効果的です。特に午前中の日が高く昇る前の時間帯が有効なので、朝起きて日光を浴びてから活動を始めるのがおすすめです。

またセロトニンの合成にはトリプトファンと呼ばれるアミノ酸と、ビタミンB6が関わっています。トリプトファンは肉類、大豆、乳製品などに、ビタミンB6は玄米やレバー、マグロなどに含まれています。これらの食品を意識して摂取するとよいでしょう。

セロトニンの分泌を促すためには、リズム運動を行うこともおすすめです。ダンスや散歩、ジョギングなど、リズミカルに体を動かすものがよいでしょう。

コラム

ツボ押しやマッサージなどの皮膚刺激でもドーパミンが分泌されるかも?

ある研究では、麻酔下の動物の腹部を優しくなでるような刺激を与えたところ、快感や意欲を司る脳の部位(側坐核)において、ドーパミンの放出が増加したことが報告されています。ヒトにおいて効果が認められるかは現状明らかになっていませんが、今後の研究が待たれています。

やる気や集中力の維持・改善のための生活習慣

やる気を維持するためには、ここまで解説してきたような方法でドーパミンの働きを整えることが大切です。また、集中力を高めるために日々の生活習慣を見直すことも欠かせません。ここでは、やる気や集中力を維持するために意識したい生活習慣を紹介します。

食生活を整え、エネルギーになる栄養素(糖質やビタミンB1など)を摂取する

脳が活動するためのエネルギー源は、ご飯やパン、麺類などの主食に含まれる糖質です。これらを適切な量摂取し、脳にエネルギーを供給することが、集中力を保つための鍵となります。

さらに、豚肉やウナギなどに多く含まれているビタミンB1には、ブドウ糖から生体内で利用可能なエネルギーを作り出すのを助ける働きがあります。脳に効率よくエネルギーを供給し、集中力を高めるためには、ブドウ糖とビタミンB1を一緒に摂取することが大切です。ビタミンB1は体内で吸収されにくい弱点があるため、その弱点を克服したビタミンB1誘導体「フルスルチアミン」を摂取できるとなおよいでしょう。

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質のよい睡眠を十分に取る

睡眠は、疲労を回復するために重要です。必要な睡眠時間は年齢や体調、季節によって異なりますが、一般的には6~8時間程度が望ましいでしょう。また、睡眠の「質」を高める工夫も欠かせません。

例えば、寝る1時間前にはスマートフォンやパソコンの使用を控えて、ブルーライトの刺激を避けましょう。コーヒー・緑茶・チョコレートなどカフェインが含まれる飲食物は覚醒作用があるため、寝る前は避けるのがおすすめです。アルコールやタバコも眠りの質の低下を招くため、できるだけ避けるようにしてください。寝付きの悪さや眠りの浅さが気になる方は、睡眠の質の改善が期待できるグリシンを配合したサプリメントや医薬品を活用するのも一つの手です。

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適度に体を動かす

適度な運動は、脳の背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)と呼ばれる部分を活性化させ、集中力や認知機能を高める効果があります。そのため、勉強や仕事を始める前に、10分ほどの散歩や軽い体操などのウォーミングアップを習慣にするのがおすすめです。

瞑想(マインドフルネス)を取り入れる

瞑想(マインドフルネス)を継続的に行うと、集中力の向上が期待できるとされています。瞑想とは雑念を手放し、「今」という瞬間に集中すること。具体的には、らくな姿勢で座り、呼吸に意識を向けます。 頭に雑念が浮かんできたら否定はせずに呼吸に意識を戻すことを繰り返しましょう。

ドーパミンとアドレナリンの違いは?

ドーパミンは快感や幸福感を感じさせるホルモンで、アドレナリンはやる気や興奮、緊張状態を引き起こすホルモンです。

アドレナリンは、腎臓の上にある「副腎」という臓器から分泌されます。ドーパミンは、アドレナリンや、ストレスを感じたときに分泌されるノルアドレナリンの前駆体(合成に必要な物質)であり、ノルアドレナリンという物質に変換された後、アドレナリンへ合成されます。交感神経が興奮すると分泌が活発になり、心拍数や血圧を上昇させ、体を活動的な状態に導きます。

また、アドレナリンには覚醒作用や、集中力や注意力を高める働きもあります。さらに、目標を達成したときや報酬となるような出来事があったときに分泌され、やる気や快感を感じさせます。一方、恐怖や不安を感じたときにも分泌され、体と脳が戦闘モードに切り替わり、目の前の状況に立ち向かう準備を整えます。

コラム

ドーパミンと関係の深い神経伝達物質

ドーパミン(やる気・快楽)やノルアドレナリン(怒り不安)といった感情に関わるホルモンのバランスをとっているセロトニンのイラスト

神経伝達物質の中には、ドーパミンの他にも、幸福感をもたらす物質が存在します。それが「セロトニン」や「オキシトシン」で、ドーパミンとあわせて通称「三大幸せホルモン」と呼ばれています。

セロトニンは、心身の安定や安心感をもたらし、感情のブレーキ役として、ドーパミンなどの感情に関わるホルモンの暴走を抑え、精神的なバランスを保つ役割があります。

オキシトシンには、ストレスを和らげて幸福感や信頼感を高める働きがあり、家族やパートナーとのスキンシップ、ペットとの触れ合い、信頼できる人とのコミュニケーションなどで分泌されます。

その他、ドーパミンと関連の深い神経伝達物質に「エンドルフィン」「ノルアドレナリン」があります。エンドルフィンは、脳内で働く神経伝達物質の一種で、激しい運動をしたときや、おいしいものを食べたときなどに多幸感をもたらします。ノルアドレナリンは、感情が高ぶったり、激しい運動をしたりしてストレスを感じたときに、交感神経の情報伝達物質あるいは副腎からホルモンとして放出されます。

ドーパミンの性質や出し方を理解し、日々のパフォーマンスに活かそう

やる気や集中力のもとになる神経伝達物質ドーパミン。多すぎても少なすぎてもよい働きをしないので、分泌バランスを保つことが重要です。「ドーパミンの自然な出し方」で紹介した方法を取り入れてみてください。

また、集中力を高めたいときには、ドーパミンの分泌を促すことだけに目を向けるのでなく、バランスのよい食事や脳のエネルギー補給をサポートする栄養素を補ったり、運動や睡眠などの生活習慣を見直したりすることも大切です。必要に応じて、ビタミン剤などを取り入れるのもおすすめです。ドーパミンの働きを正しく知ってうまく利用し、日々のパフォーマンスの向上を目指しましょう。

<参考文献>
  • 山下明子(著)『「やめられない」を「やめる」本』小学館、2024

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