更新日:2021年12月1日
疲れの対処法 運動とビタミン編:運動とビタミンB1
運動とビタミンB1
運動中には栄養素が使われる
過度な運動は肉体を消耗させ疲労を起こします。人間は食物から摂取した糖質・たんぱく質・脂質をエネルギーに変換することで体を動かします。この時、ビタミンなどの微量栄養素も使われます。
すなわち、運動によってエネルギー消費量が高まると、ビタミン要求量も高まります。
ビタミンなどが不足するとTCA回路の回転が悪くなり、エネルギーへの変換がうまくできず、疲労を感じやすくなります。
ビタミンのなかでも、特にビタミンB1はATP産生に重要な役割を果たします。そのため、運動後には、ビタミンB1の摂取を心がけるとより疲労回復に効果的です。
TCA回路とは
トリカルボン酸(tricarboxylic acid)回路の略、クエン酸回路とも呼ばれる。エネルギー産生に重要な代謝経路であり、この回路が回転することで、効率のよいエネルギー産生が行われる。
ATPとは
アデノシン三リン酸(adenosine triphosphate)の略で高エネルギーリン酸結合を含む化合物。エネルギーの供給・貯蔵に関わる極めて重要な物質。
COLUMN運動後、筋肉痛はなぜ起こる?
急に激しい運動をすると次の日(または2、3日後)筋肉痛になることがありますよね?
これは筋肉を激しく伸縮させたことで筋繊維や、その結合組織が損傷したことによると考えられています。
ビタミンB1誘導体であるフルスルチアミンは痛みに対して緩和作用が報告されており、また筋肉のエネルギー代謝を改善するため筋肉痛の緩和に効果があります。
運動後の疲れに医薬品のビタミンB1剤を活用するのもひとつです。
痛みのあるところをマッサージすると、その部位の血管が拡張するので、痛みの原因となる物質の血流による除去が促進されます。