更新日:2021年12月1日
疲れの対処法 食事とビタミン編:食事の大切さ
「衣食住」や「衣食足りて礼節を知る」ということわざがあるように、私たちにとって「食」はいのちの源であることは間違いありません。
また、私たちが「健康」であるためには、毎日の食事によりバランスよく栄養素を摂ることが必要です。このバランスがくずれ、健康でなくなったときに疲れなどの症状が出やすくなるのです。
国民健康・栄養調査によると、年齢や性別を問わず、ビタミンB群が不足がちであると報告されています。ビタミンB群は「疲れ」と関係が深く、三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)がエネルギーに変わり活力源になることを助ける、大切な微量栄養素です。
「疲れの対処法 食事とビタミン編~」では、疲れの対処法、食べることの意義について見つめ直すとともにビタミンを摂取することの大切さ、そして、ビタミンと疲れの相関関係を見ていきます。
食事の大切さ
人にとって食事とは?
私たちにとって、食事とは欲求に基づく行為であり、栄養素の摂取という側面と文化的、社会的な生命の営みという要素があります。
栄養素の摂取
- ❶体を動かすためのエネルギーをつくる
- ❷体の構成成分をつくり出す
文化的、社会的な生命の営み
- ❶楽しみ:
におい、色、味、食感など、私たちは五感を使って食を楽しみます。「おいしかった」「おなかいっぱい食べた」という満足感が得られれば、カラダも元気になり気持ちも明るくなって笑顔も増えます。 - ❷交友:
家族や知人と食卓を囲む一体感、食事中のコミュニケーションを行います。
体を動かすためのエネルギーをつくり出すしくみ
私たち人間は三大栄養素と呼ばれる、糖質、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーに変換することで、体を動かし生命活動を維持しています。その際、ビタミンB群(ビタミンB1・B2・B6、パントテン酸、ニコチン酸)やビタミンCが重要な役割をしています。これらが不足すると効率的なエネルギー産生が難しくなってしまいます。
栄養素のバランスのとれた食事は健康維持のためにとても大切です。
TCA回路とは
トリカルボン酸(tricarboxylic acid)回路の略、クエン酸回路とも呼ばれる。エネルギー産生に重要な代謝経路であり、この回路が回転することで、効率のよいエネルギー産生が行われる。
ATPとは
アデノシン三リン酸(adenosine triphosphate)の略で高エネルギーリン酸結合を含む化合物。エネルギーの供給・貯蔵に関わる極めて重要な物質。
エネルギーをつくり出すために必要なビタミンとは?
エネルギー源として最も重要な栄養素が糖質です。多くのエネルギーは食事から摂取した糖質によりもたらされます。糖質をエネルギーに変える際に重要なはたらきをするのがビタミンB1です。
栄養素のバランスのとれた食事は健康維持のためにとても大切です。
ビタミンB1
炭水化物(糖質)をエネルギーに変える際に重要。この他、神経伝達の調整作用など。
ビタミンの語源
ビタミン:Vitaminの語源は生命を意味するラテン語vitaに化学物質名のamineを付けたもの。
この物質そのものを世界で最初に見つけたのは日本の鈴木梅太郎博士です。(1910年)