筋肉痛があるとき筋トレはOK?痛みの原因や対策も解説

筋トレには筋肉痛がつきもの。筋肉痛があるときに「いつものようにトレーニングをしてもいいの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

筋トレをより効果的なものにするために、まずは筋肉痛の原因やメカニズムを知ることが大切です。この記事では、筋肉痛があるときのトレーニング方法や痛みをやわらげる対策法を紹介します。

監修

中村 格子 先生

医療法人社団BODHI Dr.KAKUKO スポーツクリニック 院長

INDEX

筋トレでなぜ筋肉痛になるの?

筋肉痛になるメカニズム

筋トレをした後に襲ってくる筋肉痛は誰もが経験する身近な症状です。ではなぜ筋肉痛は起こるのでしょうか?

筋トレで普段使わない筋肉を使ったり、同じ動作を繰り返したりすることで、筋肉を構成している筋繊維(筋肉の繊維)に傷がつきます。その筋繊維の傷を修復する過程で起こるのが、炎症反応です。炎症反応が生じると、ブラジキニンやヒスタミン、プロスタグランジンなどの痛みを生み出す物質が生成され、これが神経を刺激して、筋肉痛が起こると考えられています。

筋線維そのものには痛みを感じる神経はありません。そのため痛みは、炎症が広がり、痛みを生み出す物質が筋膜に届くようになって初めて感じます。筋肉痛が遅れてやってくるのはこのためです。

年をとると筋肉痛になるのが遅い?

「年をとったから筋肉痛が遅く出た」などといわれることがありますが、筋肉痛と年齢に因果関係はないとされています。

筋肉痛が現れるまでの早さを左右するのは運動強度です。筋肉痛が遅く現れたときは強度の低い運動を行ったとき。年齢を重ね、全力疾走などの激しい運動を行わなくなり、筋肉を酷使することがなくなるため、「筋肉痛になるのが以前より遅くなったのかな」と感じてしまうのです。いつもより強度が高い運動を行えば筋肉痛が早く出るのではないかと考えられます。

筋肉痛のときの筋トレはNG

ダメージを受けた筋繊維は、栄養と休息により24~72時間かけて徐々に回復するとされています。筋力トレーニング前後の筋肉の変化のサイクルはトレーニング前、トレーニング中、回復、超回復と4つに分けられます。

筋肉が回復する際には、適度な運動であれば、元に戻るのではなく一旦以前より強い状態になります。その強い状態で再び適度な運動を入れることでさらに強くなっていきます。そのため筋トレで「破壊と再生」が繰り返されることで筋組織が太く、強くなるのです。このような以前より強い状態になるサイクルを「超回復」といいます。

超回復の時間は筋肉の部位ごとに異なります。目安として、胸筋・背筋は72時間、上腕二頭筋・上腕三頭筋・三角筋は48時間、腹筋やふくらはぎの筋肉は24時間程度といわれています。筋肉痛は、筋繊維が傷つき修復が終わっていないという身体からのサインです。筋肉痛がないときに比べ、柔軟性に欠け、体を動かしにくくなるので怪我をする可能性も高まります。筋肉痛があるときには、あまり無理な筋トレをしないようにしましょう。

筋肉痛があるときのトレーニングのポイント

筋肉痛をやわらげるには休息がいちばんです。しかし中には、「1日も休みたくない」という方もいるのではないでしょうか?ここでは筋肉痛があるときのトレーニング法や、気をつけたいポイントを紹介します。

筋肉痛のない部位を鍛える

筋肉痛は、筋繊維の修復が終わっていないことを示していますので、トレーニング効果の面からも、筋肉痛が出ている部位のトレーニングは避けた方が賢明です。どうしてもトレーニングをしたいというときは、筋肉痛が出ている部位以外を鍛えることをおすすめします。

例えば、下半身に筋肉痛が出ていれば上半身の筋トレをする、太ももに出ているときは上腕を鍛えるなど。あらかじめ筋トレのスケジュールを組んでおき、定期的に部位を変えるなどの工夫をするとよいでしょう。

休養するのが吉

筋肉痛があるときに筋トレをしても、新たな筋肉痛は起きない、筋損傷が増大しない、回復も遅れないという研究もあります。しかし筋肉痛があるときは、筋力や関節の可動域が狭くなっているケースが多く、そもそもトレーニング効果はあまり見込めません。効率よく筋力アップするためにも、筋肉痛があるときは休養するのをおすすめします。

筋肉痛をやわらげる方法

筋トレは筋肉を傷つけ修復する過程で「破壊と再生」を繰り返し、筋組織を太く、強くしていきます。つまり、どこまでいっても、筋トレに筋肉痛はつきものなのです。ここからは、筋肉痛の痛みをやわらげる方法を紹介します。手軽にできるので、ぜひ試してみてください。

入浴

入浴は心と体の疲れを取るだけでなく、リラックス効果も期待できます。もちろん筋肉痛にも入浴は効果的。筋肉や関節がほぐれる他、新陳代謝が活発になり疲労物質の排出が促進されます。温度は40℃程度の熱すぎないお湯がおすすめです。

また温冷交代浴も良いでしょう。40℃程度のお湯に3分、その後30℃程度のぬるま湯を30秒ほどかける、を2〜3回繰り返すことで血行が促進され疲労回復に効果が期待できます。入浴の前後には水分補給を忘れないようにしましょう。

マッサージ

痛みのあるところをマッサージすると、その部位の血管が拡張し血流が増加することにより痛みの原因物質の除去が促進されるといわれています。しかし、強すぎる指圧は筋組織を痛めてしまい、もみ返しを引き起こす可能性も。少し物足りないくらいの圧でマッサージするようにしましょう。

効果的な栄養を摂取

疲れた肉体を回復させるには、疲労に効果的な栄養を摂取することが大切です。代表的な栄養素としてはビタミンB1とBCAAがあります。

ビタミンB1

エネルギーを作る際に重要なのがTCA回路です。ビタミンなどが不足するとTCA回路が機能しにくくなり、エネルギーがうまくできないため、疲労を感じやすくなります。

TCA回路に関わるビタミンの中でも、特に大切なのがビタミンB1です。エネルギーを供給・貯蔵するATPの産生に重要な役割を果たしていますので、運動後にビタミンB1を摂取すると疲労回復に効果的です。ビタミンB1が多く含まれている食品には、豚肉、大豆、玄米、チーズ、牛乳、小麦胚芽などがあります。

※TCA回路とは
トリカルボン酸(tricarboxylic acid)回路の略称。クエン酸回路とも呼ばれる。エネルギー産生に重要な役割を果たし、回転して、エネルギー産生が行われる。

※ATPとは
アデノシン三リン酸(adenosine triphosphate)の略で、高エネルギーリン酸結合を含む物質。エネルギーの供給・貯蔵に関わる極めて重要な役割をはたし、TCA回路の循環によって生み出される。

BCAA

筋肉を作るためには、タンパク質の摂取が欠かせません。タンパク質は身体の中で「アミノ酸」に分解されますが、アミノ酸の中でも筋肉の保持や増量にもっとも重要な役割を果たすのが「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」です。

BCAAは分子構造の中に分岐を持つアミノ酸の総称で、バリン、ロイシン、イソロイシンをあらわしています。これらは、筋肉の分解を抑制するとともに、筋肉のエネルギー源となります。

BCAAは、体の中で合成できないので「必須アミノ酸」とも呼ばれます。代表的な食品には、まぐろの赤身、かつお、鶏肉、牛肉、卵、牛乳などがあります。

市販薬を活用する

筋肉痛がひどいときには、筋肉痛の緩和に効能のある市販薬もおすすめです。ビタミンの中でも特に疲労回復に重要なのがビタミンB1ですが、食品から摂取するビタミンB1には身体に吸収されにくいという性質があります。

そこで通常のビタミンB1よりも吸収性に優れた、ビタミンB1誘導体と呼ばれる「フルスルチアミン」が注目されています。フルスルチアミンを含んだ市販薬を取り入れることで、傷ついた筋肉に効率よくビタミンB1を届けることが可能です。

<関連する製品リンク>

筋肉痛とうまく付き合い健康的な生活を!

筋肉痛のときには筋肉が傷ついているため、お風呂やマッサージなどを活用して休養するのがおすすめです。どうしても筋トレをしたいときには、筋肉痛の部位は避けて行いましょう。また、筋肉痛に効果的な栄養を摂ることも大切です。ビタミンB1やBCAAを多く含む食品やフルスルチアミンが配合された市販薬などを利用して、筋肉痛とうまく付き合っていきましょう。

<参考文献>

ビタミンB1などの栄養補給に
アリナミンからのおすすめの製品

製品ラインナップをみる