夏バテ予防・対策に大切な7つのポイント

夏が近づき、暑い日が続くと「疲れがとれない」「だるい」「食欲がわかない」など体の不調を感じていませんか?その症状は「夏バテ」かもしれません。

ここでは専門家監修のもと、夏バテになってしまった時の対策はもちろん、予防法を解説するとともに、夏バテにともない生じる疲労を回復できるよう日常生活のポイントもご紹介します。

監修

渡辺 恭良 先生

理化学研究所 生命機能科学研究センター 健康・病態科学研究チーム

INDEX

夏バテとは?

「夏バテ」とは、夏季の高温・多湿に対応できずに生じる体の不調の総称です。脱水や栄養不足、体の機能を調整する自律神経(交感神経と副交感神経)の乱れなどが原因で起こります。医学的に夏バテという病気があるわけではありません。夏は、他の季節に比べてたくさんの汗をかくため、水分を多めにとらなくては脱水を起こします。特に高齢者は、若い人に比べてもともと体の水分量が少ないため、少しの脱水でめまいや動悸、意識がもうろうとするなどの脱水症状が出てしまうことも。

また、暑さで食欲が落ちたり、さっぱりとした軽いものばかり食べていると栄養不足になりがちです。

部屋の中はエアコンで冷えているのに、一歩外へ出れば蒸し暑い…という激しい温度差や、寝苦しさによる睡眠不足で、自律神経の働きが乱れることも夏バテの原因になります。

夏バテを予防するための体づくりや、夏バテを起こしてしまったときの対策について知っておきましょう。

こんな人は夏バテになりやすい!

・夜更かしすることが多い

夜遅くまで無理に交感神経を働かせるため、副交感神経への切り替えが上手くいかなくなり、自律神経のバランスが乱れる原因に。その結果、睡眠の質に影響し、疲労回復しにくくなってしまうのです。

・冷房を低い温度で設定

冷房のきいた部屋と外の行き来による急激な温度変化が1日に何度も起こると、体温調節を担っている自律神経のバランスが乱れやすくなり、疲労感に繋がります。

・入浴はシャワーだけで湯船に浸からない

人は体温が下がると自然と眠くなります。湯船に浸かると、入浴中は体の内部温度(深部体温)が上がり、浴室から出ると深部体温がスムーズに下がるので、深部体温の良い傾斜ができて質の良い睡眠を得られやすくなります。言い換えれば、シャワーだけだと深部体温の有効な変化が得られにくくなるので、睡眠の質を下げてしまう可能性があるのです。

・睡眠不足

睡眠不足は、季節を問わず自律神経のバランスを乱す原因です。

・運動不足

運動は体力だけでなく、自律神経のバランス調整や、睡眠の質にも関与しています。つまり、運動不足になると、自律神経の乱れや睡眠の質の低下を招き、疲れやすく、夏バテの原因になるのです。

・冷たい飲み物が好き

冷たすぎる飲み物は、胃腸の動きを鈍くさせ、食欲低下や消化不良に繋がります。

・食事の内容が偏りがち

暑さで食欲が落ちて肉や野菜の摂取量が減ると、疲労回復に必要な栄養素が不足し、疲れやすくなります。

夏バテを防ぐ7つの対策

夏バテは、生活習慣や環境を見直すことで予防できます。7つの対策をご紹介するので、できることから実践してみましょう。

生活リズムを整える

できるだけ生活リズムを一定にしましょう。

朝に太陽の光を浴びると、ずれた体内時計がリセットされる他、夜に自然と眠くなるようにホルモンが分泌されるようになり、自律神経のバランスが整います。

また、朝食をとることも大切です。

冷房で身体を冷やさない

室内外の激しい温度差は、自律神経のバランスの乱れを引き起こす原因です。自律神経は汗の量を調節することで体温調節をおこなっています。急激な温度変化が1日に何度もあると、体温調節のために神経が過剰に働き、疲れる原因に。

冷房などを利用する場合は、外との温度差が極端に大きくならないように調節すると良いです。また、冷房の風が直接当たると体が冷えすぎてしまうので、羽織るものを用意するか、風向きを調整しましょう。

入浴時は湯船に浸かる

夏は暑いと、ついシャワーで済ませてしまうかもしれませんが、先ほど述べた通り就寝1時間ほど前に湯船に浸かると、眠りにつく頃には深部体温がスムーズに下がって睡眠の質が向上します。また、人の体は、体温が下がると自然と眠くなります。

40度くらいのお湯で10分ほど入浴すると、眠るために最適な体温変化を促すことができます。

睡眠をしっかりとる

自律神経の働きを整え、疲労を溜めないために、規則正しく十分な睡眠をとりましょう。睡眠不足は、交感神経の活動を活発にしてしまい、自律神経のバランスが乱れる原因に。

寝苦しさを緩和するために、環境を整えることも大切です。寝具は夏用のものを使用し、扇風機などで室内に空気の流れを作ります。ただし、体に直接風を当てると、体が冷えすぎたり、水分が奪われて脱水になることもあるので、注意しましょう。

夜間に十分眠れなかった場合は、15分ほどの短い昼寝も疲労回復に効果的です。

適度な運動を心がける

夏は、活動量や食欲の低下などで体力が落ちやすいので、適度な運動で体力を維持しましょう。運動によって、体力向上、自律神経のバランスの調整、睡眠の質の向上などが期待されます。

「外に出るなんて無理…」という人は、エレベーターではなく階段を使う、休憩時間に歩く、テレビを見ながら軽いストレッチや筋トレをするなど、できることを行ってみましょう。

外出の際は、帽子や吸湿性・速乾性のある衣服を着用する、飲み物を持ち歩くなど、熱中症対策を忘れずに。

こまめに水分を補給する

熱中症予防のためにも、こまめに水分・塩分などを摂りましょう。

経口補水液ならば、水分・塩分の他、電解質の役割を果たすミネラルを一度に補給することができます。

特に朝、補給しておくと熱中症予防にも効果的です。また、炎天下で外にいる際や運動時、起床時や入浴後は補給を意識しましょう。アルコールは、水分補給にはなりません。かえって脱水を起こす危険があるので、注意してください。

高齢の方は、のどの渇きを感じる前からこまめに水分を摂ることが重要です。汗をかいていない場合は、水やお茶でかまいません。

糖尿病の方は、スポーツドリンクだと血糖値が上昇してしまうため、糖分の入っていない水分を摂りましょう。

栄養バランスの良い食事を心がける

疲れにくい体づくりのためには、栄養バランスの良い食事も大切です。疲労回復に必要な糖質を適度に摂取した上で、タンパク質・ミネラル・ビタミンもしっかりとることが重要です。

また、スパイスなどの香辛料は食欲増進の効果が期待できるので、カレーやエスニック料理などを取り入れるのもおすすめ。

次に、夏バテ対策に役立つ食べ物をご紹介するので、参考にしてください。

夏バテに効果的な栄養素と食べ物

夏バテに陥ると、そうめんやゼリーなど軽めのものを好んで食べる人が多いと思いますが、どうしても栄養が偏ってしまうもの。バランスの良い食事をとるように意識しましょう。

ビタミンB1

ビタミンB1は、糖質を体内でエネルギーに変えるために不可欠です。また疲労や体のだるさ、食欲不振の予防にも役立ち、夏バテ対策に重要な栄養素といえるでしょう。ところが、ビタミンB1はその働き・性質などさまざまな理由から不足しがちです。例えば糖質の摂取量が多いと、エネルギー変換のために多くのビタミンB1が必要となります。また、ビタミンB1は水溶性で加熱にも弱いため調理で失われがちです。さらに1度に吸収される量に限度があり、体内に蓄えられにくい性質もあります。不足した状態が続くと、イライラしやすい、集中力が落ちるなどの症状が現れることも。意識して摂取するようにしましょう。

【ビタミンB1を多く含む食品】

豚肉、うなぎ、玄米、ごま

タンパク質

タンパク質は、筋肉をはじめ、皮膚や髪など体の元になる栄養素です。

食事から補給するタンパク質が足りないと、筋肉を分解してタンパク質を取り出す仕組みが体に備わっています。さらに不足すると、疲労や体力低下をもたらし、夏バテの原因に。夏は不足しないよう、特に注意しましょう。

【タンパク質を多く含む食品】

肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品など

ビタミンC

ビタミンCは、細胞の酸化を防ぐほか、コラーゲン合成に関わることで筋肉や血管を丈夫にする働きがある栄養素です。

また、ビタミンCはストレスに対抗するホルモンの合成を促す働きもあります。紫外線や睡眠不足、疲労など多くのストレスにさらされる夏には、ビタミンCの消費量が増えるので、不足しないよう補給を心がけてください。

【ビタミンCを多く含む食品】

キウイフルーツ、レモン、パプリカ、ブロッコリーなど

夏バテ対策は生活習慣の見直しから!時には栄養ドリンクなどの力を借りてみて

バランスの良い食事は、夏バテの予防と改善に関係します。冷房の使い方を見直す・運動や睡眠といった生活習慣を整えるなど、自律神経のバランスを乱さないことも大切です。食欲がない場合は無理をせず、疲労の回復や予防、身体のだるさに効果がある栄養ドリンクやビタミン剤を活用し、不足しがちな栄養素を補うのも一つの手。ご紹介した対策も取り入れて、夏バテを乗り切りましょう。

<参考文献 >

ビタミンB1などの栄養補給に
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