からだがだるい…疲れ・倦怠感の原因とは?自分でできる解消法もくわしく解説

体のだるさは、働きすぎなどによる肉体疲労の蓄積、不規則な生活による睡眠不足や生活リズムの乱れ、ストレス、栄養バランスの乱れ、加齢、感染症などの急性疾患などが原因といわれることがあります。体がだるいときに日常生活でできる予防と対策方法をご紹介します。

監修

柴田 克己 先生

滋賀県立大学 名誉教授

INDEX

体がだるいとはどんな症状?

「だるい」とは、普段なら難なくできることがおっくうになり、いつもの生活が送りづらくなるような感覚のことをいいます。例えば、「朝起きるのがつらい」「食欲がない」「おしゃれする気になれない」「体が重い」「やる気がでない」「仕事を頑張りたくても集中力が続かない」などが「だるい」という状態に当てはまります。

世界的には人口の6~8%が体のだるさの一因となる疲労を訴えており、日本人の成人の約30%が疲労を感じているという研究発表もあります。このように、疲労に悩まされている人は比較的多いですが、医療機関を受診しているのは一部の人のみで、多くの人はそれらを我慢して過ごしています。また、「倦怠感」とは、休養などの対策をとってもだるさが長く続く場合をいいます。

だるさを感じる原因

だるさを生じさせる原因はさまざまです。そのうちの、主なものを紹介します。

働きすぎなどによる肉体疲労の蓄積

日々生活していると何かしらの肉体疲労が生じますが、私たちはそれを適宜休養することで回復させ生活を送っています。

しかし、肉体疲労が十分に回復しないまま蓄積していくと、慢性疲労と呼ばれる状態になり、睡眠障害、食欲不振、体重の減少、集中力の欠如といった症状が生じるようになり、全身のだるさの原因となります。

なかには心臓に負担がかかり、安静にしているときにも心拍数や血圧の上昇などがみられることもあります。

生活リズムの乱れ

生活リズムの乱れは体内時計を乱し、だるさなどの不調を生じさせることがあります。

人の体内時計の周期は約25時間であることがわかっています。一方、地球の1日は24時間です。人は日々この1時間のずれを調整しながら生活していますが、何らかの原因で生活リズムが乱れて、調整ができなくなると、時差症候群(時差ぼけ)のような状態になって、眠気や頭痛、いらだち、食欲不振などの身体的な不調が生じ、だるさの一因になることがあります。

寝る時間や起きる時間、食事の時間が一定しない場合には、こうした不調が生じやすいため、要注意です。

睡眠不足

睡眠は、私たちが健やかに生きるために欠かせません。睡眠不足になると、日常生活にも影響が出てきます。日中にも眠気が生じたり、いらだちやすくなったりして、疲れているなあ、とだるさを感じる一因となります。

どの程度で睡眠不足になるのかは、人によって異なりますが、一般的には1日6~10時間程度の睡眠をとることが望ましいとされています。

ストレス

ストレスは自律神経に作用します。度をこすと、交感神経と副交感神経のバランスを崩します。

交感神経は体を活発に動かすときに、副交感神経は体を休めるときに働き、これらが互いにバランスを取りながら体の状態を調節しています。

しかし、ストレスを受け続けると、そのバランスが崩れてしまい、眠れない、いらだち、食欲がわかないといった、さまざまな症状が現れ、だるさの一因となることがあります。

栄養バランスの乱れ

体は、食べ物から摂取した成分をもとにエネルギーを作り出しています。なかでも糖質・脂質・タンパク質の3つはエネルギー源となる栄養素で、酸素を利用してこれらを最終的に二酸化炭素と水などに代謝することで、エネルギー物質であるATPを産生しています。

しかし、エネルギーを生み出すには、これらの3つの栄養素だけでなく、ビタミンやミネラルも一緒に摂取しなければ、エネルギーを満足に作り出すことはできません。体を構成する細胞でエネルギーが不足すると、体の機能が十分に働かなくなり、それがいわゆる疲労物質の蓄積をもたらし、だるさというかたちで現れるようになるとも考えられます。

例えば、過度のダイエットや偏食、またはストレス解消のためのやけ食いなどによって、摂取する栄養素のバランスが乱れることもエネルギー不足につながり、だるさを引き起こす一因になることがあるでしょう。

貧血による酸素欠乏

貧血とは、赤血球に含まれるヘモグロビンという鉄を含むタンパク質が少なくなった状態をいいます。

血液には、エネルギー産生に利用する酸素を全身に運搬する働きがあり、その役割を担っているのがヘモグロビンです。したがって、ヘモグロビン量が減ると、酸素を運ぶ能力が低下してきます。その結果、エネルギー産生能力が低下することで、頭痛や息切れなどの症状が出たり、運動機能の低下を招いたりして、だるさの一因となることもあります。

加齢による活性酸素の増加

私たちの体内では「活性酸素」と呼ばれる、通常よりも活性化された酸素が、細胞内での情報伝達や免疫機能の調節因子として働いています。ですが、活性酸素の量が増えすぎると、酸化ストレスという状態になり、神経細胞を破壊してしまうことがあります。これも、だるさを感じる一因と考えられています。

こうした活性酸素の影響は、年齢を重ねるごとに受けやすくなり、年々だるさを感じやすくなる傾向にあります。

感染症などの急性疾患

ウイルスや細菌などの病原体による感染症でだるさが生じることもあります。

例えばかぜ(感冒)は、鼻、副鼻腔、のどの粘膜に起こるウイルス感染症です。初期には、のどのいがらっぽさや痛み、または鼻の不快感といった症状が生じることが多く、それに続いて、発熱、くしゃみ、鼻水、せきなどが現れ、だるさの一因となることもあります。

続く「だるさ」は疾患(病気)のサイン?

だるさは、体からの休養のサインと考えることもできます。例えば、筋肉の痛みや発熱は「休んでください」という体からの警報のサインといわれることがありますが、それと同じように、だるさも体の活動を制限するサインとして働いているといわれています。

それでも無理をして働き続けた結果、客観的な異常が認められない状態で、日常生活が送れなくなるほどの重いだるさである倦怠感が6カ月以上にわたって続くと、慢性疲労症候群と診断されます。

それを防ぐためにも、だるさを早めに取り除き、回復させることが大切です。

自分でできる「だるさ」の解消法

規則正しい生活を心がける

生活リズムの乱れは、体内時計のずれを生じさせ、睡眠不足によるなんとなくだるいといった感覚が現れることがあります。

生活リズムのうち、特に就寝時間がバラバラだと、体内時計がずれやすくなるといわれています。シフト勤務などがなく、一定の生活リズムを保つことが可能なライフスタイルの場合は、規則正しい生活リズムを心がけましょう。

十分な睡眠をとる

良質な睡眠をとることは、だるさの回復にとって最も効果的なことだといわれています。

睡眠時間が短くなりすぎないように就寝や起床の時間を一定にする、朝起きたら太陽の光を浴びて体内時計の調整をはかるなどして、夜間の良質かつ十分な睡眠をとれるようにしましょう。

適度な運動をする

だるいからといって動かないでいると血流が滞ったり、体力が低下したりして、さらにだるさが増すことも考えられます。そのため、適度に体を動かすことがだるさの解消に役立つケースもあります。

例えば、ウォーキングやヨガ、体操などの有酸素運動は、だるさの軽減に効果的といわれています。また、ストレッチやマッサージなどを行って体をほぐすと、緊張感がやわらぎ、だるさも一緒に改善されることがあります。

ストレス解消法を見つける

ストレスを上手に解消できると、精神的に安定した状態を保つことができます。精神面での安定は、だるさの軽減につながるといわれています。

趣味に没頭したり、音楽を聴いたり、深呼吸をしてみたりなど、自分なりのリラックスできる方法を見つけてみましょう。アロマテラピーのように香りでストレスをやわらげるのも有効です。

また、運動をしたり外出をしたりすることで得られる、ほどよい肉体的疲労もストレスの解消につながることがあります。

栄養バランスのとれた食事をする

現代人の生活は、偏った食事内容などの影響で摂取する栄養素に過不足が生じ、結果として生み出すエネルギーが不足して、だるさを感じやすい体質になってしまっていることも考えられます。

特にビタミンB群の不足には要注意です。ビタミンB群は、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類です。

例えば、手軽にボリュームのある食事がとれるからと糖質中心の食生活になると、糖質からエネルギーを生み出すのに関わるビタミンB1が不足することが危惧されます。また、体が糖質・脂質・タンパク質からエネルギーを生み出す仕組みに深く関わるビタミンB2も不足し、体がうまくエネルギーを作れずに、だるさを感じるようになることもあります。ビタミンB1は豚肉やかつお節、ブロッコリー、玉ねぎなどに、ビタミンB2はレバーや卵、また納豆などの豆類に多く含まれるので、食事の中で上手にとりいれましょう。

そのほか、キャベツやじゃがいもなどに多く含まれるビタミンCが不足すると、活性酸素を消去する能力が低下します。すると、酸化ストレス状態となることがあります。これらの栄養素は、バランスの良い食生活や食事量を実現できていれば、おおむね不足せずに摂取することが可能です。

また、だるいと感じるような時には、食べ物からしか摂れない、つまり体内で作ることができないビタミン、ミネラル、必須アミノ酸の必要量が一時的に高くなっている可能性もあります。そのようなときには、「肉体疲労時の栄養補給」といった効能を持つ「医薬品、または医薬部外品」のビタミン剤や栄養ドリンクなどで対処するのも一つの方法です。

なお、栄養素バランスが良い食事とは、厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準 2020年版」で示されたエネルギーと栄養素量を摂ることができる食事のことです。そこでは、普通のエネルギー消費量で平均的な身長と体重の人の目標とすべき摂取量が、男女別、ライフステージごとに示されています。

管理栄養士に、あなたのエネルギーと栄養素量を算定してもらいましょう。そして、算定してもらった栄養素の摂取基準に基づいた上で、あなたが食べられる具体的な献立を複数たててもらうと良いでしょう。

だるいときは放置せず、回復に努めよう!

ちょっとした日々の生活リズムの乱れや栄養バランスの乱れ、働きすぎによる肉体疲労、ストレスなどをそのままにしてしまうと、それらが原因となり“だるさ”が慢性化することも…。その予防と対策の三本柱は、「食事」・「運動」・「休養」です。

また、一定の期間にわたってだるさが続く場合は、病気など体からのSOSサインである可能性もあります。風邪やインフルエンザ、急性肝炎はだるさを感じやすいです。そのほか、肝臓や腎臓などの内臓系の病気、うつ病や心身症などの精神疾患なども考えられます。

持続的で回復しない重いだるさがある場合は、決して放置せず、医師による診察を受けましょう。

<参考文献>

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