更新日:2024年1月29日

背中のストレッチでこりを緩和!背中の痛みの原因や、おすすめのストレッチ方法を紹介

背中をストレッチして、日々のデスクワークやスマートフォンの使用でこり固まった筋肉をほぐしたいと感じる現代人は多いかもしれません。

背中には健康に関わる筋肉が多くありますが、筋肉は使わないと血流が悪くなり、こりや痛みを生じさせます。また、背中のこりが原因で、肩こりや首こり、腰痛を誘発してしまい日常生活に大きな影響を及ぼすことも。

この記事では、背中の構造から背中の痛みの原因、背中のストレッチによるメリットや正しい姿勢の保ち方、こりが解消されない場合のアプローチについて紹介します。

監修

竹谷内 康修 先生

竹谷内医院 院長

INDEX

背中の構造や痛みの原因

背中に広がる筋肉

人間の背中には脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)、広背筋(こうはいきん)、僧帽筋(そうぼうきん)という3つの代表的な筋肉があります。これらの筋肉は広範囲に及ぶため、こりが生じてしまうと身体全体の動きや血流に悪影響を与え、さまざまな痛みや疾患を引き起こします。ここでは3つの筋肉の位置や役割について、詳しく紹介します。

脊柱起立筋

背骨に沿って付いており、後頭部から骨盤にかけて伸びる縦長の筋肉群です。主に上半身を起こす、背筋を伸ばす、体幹を動かす動作に用いられます。この筋肉が固まって動かないことが、背中の痛みや不調の原因のひとつになります。

広背筋

背中の中央から脇の下、骨盤まで広がっている大きな筋肉です。肩関節や肩甲骨の動きに関わるため、腕の動きと姿勢に影響を与えます。広背筋が固くなると猫背や首こり、腰痛や背中の痛みなどを引き起こします。

僧帽筋

後頭部から肩、背中の中央にかけて広がる筋肉で、肩関節や肩甲骨の働きをコントロールしています。僧帽筋が固くなると、首や肩のこり、筋肉の張りが出てきます。

背中の痛みの原因①:筋肉のこりや炎症

長時間椅子に座っている状態が続く方、テレワークで移動が減った方は、背中の筋肉が固まりやすくなっています。固まった筋肉が原因で、首や肩にかけてこりが発生し、背中への痛みを誘発するのです。

特に背中にある僧帽筋は、何かを引っ張ったり持ち上げたりするときに活躍するため、デスクワークが中心の方は普段使わない筋肉であり、こりやすくなっています。背中のストレッチは僧帽筋をほぐす効果もあるため、背中全体のこりの解消が期待できます。

背中の痛みの原因②:加齢や骨の変形

椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)の方は、背中に痛みをともなうことが多い傾向にあります。いずれの疾患も、加齢による筋力低下や骨の変形が大きな原因ですが、正しい姿勢を保つことで腰や背中への局所的なストレスを軽減し、痛みを緩和することができます。背中のストレッチは筋肉や骨格を本来あるべき位置に戻し、悪い姿勢を改善する効果もあるため、背中の痛みの緩和も見込めます。

背中の痛みの原因③:内臓の不調

膵臓がんや急性膵炎は、膵臓自体が背中に近いため、背中に痛みを感じやすくなります。また、胃炎、十二指腸潰瘍、急性腎炎、狭心症、胆嚢炎、食道がん、胃がん、腎がんなどの内臓の不調が背中の痛みにつながるケースもあります。背中のストレッチや、痛み止め・ビタミン剤などの市販薬でも痛みが落ち着かない場合は、早めに医療機関で診察を受けましょう。

背中の不調が誘因となる疾患やその症状

肩こり、首こり

パソコンやスマートフォンを使用しているときは手だけが動いており、首や肩まわり、背中の筋肉はほとんど動いておらず、固まっています。背中の筋肉が固まると肩甲骨を支える筋肉や、肩甲骨と鎖骨、肩関節をつなぐ靭帯まで固くなり、肩こりや首こりを引き起こします。

背中のストレッチは普段動かさない筋肉をほぐし、背中から肩甲骨まわりの筋肉の動きを滑らかにするため、結果的に肩こりや首こりを和らげます。

四十肩、五十肩

「腕が突然上がらなくなる」という印象がある四十肩、五十肩ですが、実は加齢にあわせて肩の可動域が狭まり、段々と腕が上がらなくなっていることが原因と言われています。肩の可動域には姿勢が関係しており、若年層の方でも背中が丸まっていると、腕はまっすぐに上がりません。

背中のストレッチは、背中の筋肉の伸縮を促し、胸を開きやすくします。開いた胸の影響で丸まった背中が伸びるため、腕が上がりやすくなり、四十肩、五十肩の症状を緩和することができます。

冷え症

身体の中心である背中の血流に滞りがあると、手足の先など、末端の毛細血管まで血液が流れにくくなり、手足が冷えやすくなります。

背中のストレッチで背中の大きな筋肉を動かし、血の巡りをよくすることは、冷え症の改善にもつながります。

目のかすみ、乾燥

スマートフォンやパソコンを見続けることで、目の筋肉が疲れて血流が悪くなり、かすみや乾燥が現れることがあります。これは背中のこりが直接的な原因ではありませんが、目のまわりの血流ひいては全身の血流が健全で、疲れが出たらすぐに疲労物質を流せる状態であれば、目のかすみなどの症状は起きづらいのです。

間接的なアプローチとなりますが、背中のストレッチで全身の血流をよくすることは目の疲労回復につながると考えられます。全身の血流をよくすることで、目の血流も促進されるため、ぜひ背中のストレッチを取り入れてみてください。

背中のストレッチを行うメリット

背中のストレッチは内臓の疾患には直接的にアプローチできないものの、血流を改善し呼吸の質を向上させるため、身体全体の調子を整える効果があります。ここでは、ストレッチすることのメリットを詳しく解説します。

血流がよくなる

背中の筋肉が固まると血流が悪くなり、排出しなければならない老廃物が身体に溜まりやすくなります。そして、全身に酸素や栄養が届きにくくなり、筋肉のこりを引き起こします。

背中のストレッチで筋肉をよく動かし、身体のすみずみまで十分に血液を届けて疲労物質を流し去り、筋肉のこりを緩和しましょう。

呼吸の質が高まり、基礎代謝が上がる

呼吸は肺自体が動くわけではなく、肺周辺にある筋肉の動きによって行われます。背中にある大きな筋肉をストレッチでゆるめると、胸まわりの筋肉の動きがスムーズになり、肺が広がりやすく深い呼吸ができるようになります。深い呼吸で酸素を多く取り込むほど血液循環がよくなり、基礎代謝が上がるため、老廃物が溜まりにくく筋肉がこりにくい身体になります。

背中のストレッチ方法を紹介

背中と肩甲骨の筋肉に効果的なストレッチ

首を前に曲げると首や肩が痛む方に向けた、背中と肩甲骨の筋肉に効果的なストレッチです。首や肩に痛みが出る症状は、背中の筋肉と肩甲骨あたりの筋肉のこわばりが原因になっていることが多いため、このストレッチでそれらの筋肉をゆるめていきましょう。

1:足を肩幅に合わせて開いて立ち、左腕をまっすぐ前に出す。右手で左の前腕をつかむ

2:右手で左腕を右側に引くようにして、上体を右側に向ける。このとき左側の背中、および左側の肩甲骨あたりが伸ばされる。そのまま10秒キープ

※10秒キープ×3回
※左右を替えて同様に行う

<これでもOK>
上げる腕を高めにすることで、背中の筋肉が伸びやすくなる場合があります。より伸びを感じる方法でストレッチを行いましょう。

1:左腕をまっすぐ前に出し、右手で左の前腕をつかむ

2:右ひじを高く上げて右手で左腕を右上に引く。上体を右側に向け、10秒キープ

※10秒キープ×3回
※左右を替えて同様に行う

背中の血流を改善するには筋トレも効果的

肩甲骨周りの筋肉を鍛えておくことで、血流がよくなり背中のこりが緩和されるでしょう。ここでは2つの筋トレを紹介します。

肩甲骨同士を寄せ周囲の筋肉を鍛えるトレーニング

猫背の人は、肩が前に出て左右の肩甲骨の間が広がっています。猫背を治すには、肩甲骨上にある筋肉と左右の肩甲骨の間の筋肉を鍛えて、肩甲骨同士を寄せる必要があります。ここではストッキングを使うトレーニングを紹介します。

1:足を肩幅に開いて立つ。ストッキングをだいたい自分の体の幅と同じ長さになるように持って構える

2:右手と左ひじは固定したまま、左手でストッキングを外側にゆっくり引っぱる。左側の肩甲骨周辺の負荷を意識し、5秒キープ

※5秒キープ×5回
※左右を替えて同様に行う

<アドバイス>
ストッキングではなく、ゴムチューブやゴムバンドを用いてもよいでしょう。

首の土台である肩・背中をしっかり鍛えるトレーニング

猫背の影響で開いてしまった左右の肩甲骨を引き寄せ、自然と首を後ろに引けるようにするトレーニングです。首の土台となる肩や背中を意識し、正しい姿勢に矯正していきます。

1:足を肩幅に開いて立つ。ストッキングを体の幅より長く持って構える

2:右手は固定し、左ひじをゆっくりと伸ばしていき、左手を斜め上に上げる。左側の肩甲骨周辺の負荷を意識し、5秒キープ

※5秒キープ×5回
※左右を替えて同様に行う

<アドバイス>
ストッキングを短めに持てば、トレーニングの強度が高まるためより高い効果が期待できます。

背中の痛みを予防するために

正しい姿勢を意識する

理想的な立ち姿勢は横から見たとき「耳〜肩〜腰〜股関節〜ひざ〜外くるぶし」が一直線上にそろう形です。しかし、自分で意識してこの姿勢をキープすることは難しいため、ここではよい立ち姿勢を保つ簡単な方法を紹介します。

背中のボタンを意識した姿勢

肩甲骨のいちばん下と同じ高さにある背骨に、ボタンがあるとイメージします。

背中のボタンが押されている感覚を意識すると、自然と「耳〜肩〜腰〜股関節〜ひざ〜外くるぶし」が一直線のよい立ち姿勢になります。

歩くときも背中のボタンを意識すれば、背筋が伸びて頭の位置がリセットされ、よい姿勢で歩くことができます。

背中のこり、筋肉痛などが解消されない場合は

マッサージをする

心地よく感じる程度の力で行うマッサージは、血行をよくして疲労回復を促進します。ただし、マッサージの効果は一時的なものであり、再び症状が出やすいので注意。より長期的な痛みの緩和を望まれる場合は、日常的に先ほど紹介したようなストレッチすることをおすすめします。

市販薬を活用する

背中のストレッチを行っても、肩こりや背中などの筋肉痛、腰痛が収まらない場合は、市販薬を活用することもひとつの方法です。ビタミンB1、B6、B12などの有効成分を配合したビタミン剤や、これらにビタミンEを含むものも、症状を和らげる効果があります。1カ月ほど使用しても痛みの改善が見られない場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。

ビタミンB1

筋肉を動かす際に重要な、エネルギーを糖質から作り出す際に必要なビタミンです。ビタミンB1が不足すると血流も悪くなり、疲労物質が溜まりやすくなるため、背中がこりやすくなります。

ビタミンB6

神経伝達物質の合成に作用しています。ビタミンB6はほとんどの食事に含まれているため欠乏症になることはまれですが、この栄養素が不足すると手足のしびれや神経痛を引き起こすことがあります。このしびれや痛みが発生するたびに、身体が緊張状態になるため、肩こりや背中の筋肉痛の遠因になると言われています。

ビタミンB12

神経や血液細胞を健康に保つ作用があります。ビタミンB12が不足すると、神経系に損傷を与えるケースもあり、その影響でしびれや手足の脱力感が生じます。手先や足先の不調をかばう形で、肩や腰回りに力が入った状態が続き、肩こりや腰痛へつながる場合があります。

ビタミンE

体の血液循環、特に抹消の血液循環に関与しています。血液の流れに大事な役割を果たすため、ビタミンEが不足すると疲労物質が身体に残り、筋肉がこりやすくなります。

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背中の痛みが強いときは我慢せずに医療機関へ

身体を動かすと背中に痛みが走るという症状は、ほとんどが筋肉、筋膜、関節、骨に関わる痛みです。それらの痛みの緩和のために、普段使わない筋肉をほぐしたり、血流をよくしたりする背中のストレッチは、有効でしょう。

ただし、背中のストレッチや市販薬の服用でも改善しない場合は、内臓の病気の影響が背中や腰に現れている可能性があります。早めに医療機関を受診してください。

<参考文献>
  • 「背中をゆるめると健康になる」犬飼奈穂
  • 「座り仕事の疲れが全ぜんぶとれるコリほぐしストレッチ 首・肩・腰が軽くなる!」なぁさん
  • 「その不調、背中ストレッチが解決します。」吉田佳代
  • 「5回ひねるだけで痛みが消える!『背中ゆるめ』ストレッチ」岩井隆彰
  • 「頸椎症の名医が教える 竹谷内式 首トレ 5分の体操で首の痛み・肩こり・腕のしびれが消える」竹谷内康修

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