目の周りが痛いときに考えられる原因と眼精疲労・目の疲れに良い栄養素を解説

パソコンやスマートフォンを長時間使用することで、目が疲れたと感じたことがある方は多いと思います。中には痛みを伴っている方もいるかもしれません。休息すればおさまる疲れ目の場合もあれば、実は思わぬ病気が影響している場合もあります。ここでは、目の痛みに関わる病気を解説するとともに、眼精疲労・目の疲れに有用な栄養素を紹介します。

監修

若倉 雅登 先生

医療法人社団済安堂 井上眼科病院 名誉院長

INDEX

目の痛みの種類

目の痛みは、大きく分けると「目の表面の痛み(ごろごろする異物感、刺すような痛みなど)」と「目の奥の痛み(眼球の奥が痛む)」があります。

表面の痛みの多くは結膜炎や目の中に異物が入ったことにより起こるものです。角膜に傷がついたときやまぶたの炎症なども考えられます。

奥の痛みは眼精疲労や視神経に関係する疾患、あるいは頭痛、副鼻腔炎に関連して起こることもあります。痛みの場所や種類によって受診すべき診療科が異なるため、まずは自身の症状について確認することが大切です。

目の痛みで考えられる原因とは

目の痛みは、パソコンやスマートフォンの利用など日常生活での目の酷使が原因となるものや目そのものの機能がダメージを受けて生じるもの、目以外の疾患や体の不調が背景にあるもの、ウイルスや細菌などにより発症するものなどさまざまです。ここでは目の痛みの原因として考えられる疾患を紹介します。

眼精疲労

休んだだけでは目の疲労が回復しない状態を眼精疲労といいます。眼精疲労は病名ではなく、原因も様々です。目が疲れる、目がぼやける、目が痛い、充血、まぶしい、涙が出るといった目の症状の他に、肩こりや疲労感、頭痛、めまい、吐き気などの症状が全身に及ぶこともあります。

ドライアイ

涙の量が減ったり、涙の質の変化により眼球表面を潤す力が不足したりする病気です。目の疲れ、かすみ、ひりひりした痛みなどが生じます。女性の更年期障害の症状としてしばしば見られ、大気汚染、パソコンの長時間使用なども悪化の原因となります。

睫毛乱生(しょうもうらんせい)

睫毛乱生は「逆さまつ毛」の症状の一つで、まつ毛の生えている方向が不規則なことをいいます。内側に向いて生えているまつ毛が眼球の表面にダメージを与え、ごろごろした異物感やチクチクする痛み、不快感、充血、かすみ、目やにがよく出るなどの症状が生じます。

麦粒腫(ものもらい)

まぶたの分泌腺や毛穴の小さな孔から細菌が感染して引き起こされます。まぶたの一部が赤くはれて、軽度の痛みや痒みを伴います。炎症が強くなると、赤みやはれ、痛みが強くなり、化膿が進むと膿が出ることもあります。

※以下の疾患は、医師の診断が必要です。下記疾患が心配な場合には、早めに医師の診断を受けましょう。

強膜炎

眼球の外壁である強膜が炎症を起こす病気で、充血や異物感などの自覚症状から始まり、炎症が強膜全体に及ぶと突き刺すような痛みが生じます。関節リウマチなどの自己免疫疾患などが原因になることが多いとされています。視力に影響が出ることもあります。

角膜炎

角膜は黒目の部分で、角膜上皮という組織によって微生物などが侵入できないようになっています。しかし、角膜上皮が傷つき、そこから細菌やカビなどが感染して炎症を起こすと、目を開けていられないほど高度な痛みになり、かつ持続します。ごろごろした異物感、充血、流涙、視力障害なども生じます。

結膜炎

結膜は眼球が空気に触れる面にある半透明な膜で、ここにウイルスや細菌、アレルゲンなどが付着することによって起こる炎症が結膜炎です。ウイルスや細菌によるものは「ウイルス性結膜炎」、花粉やハウスダストなどアレルギーの素因によって引き起こされるものは「アレルギー性結膜炎」と呼ばれます。

充血や軽い眼痛、まぶたのはれ、かゆみ、まぶしさ、目やに、ごろごろした異物感などが主な症状です。発熱を伴う場合もあります。

角膜上皮剥離(角膜上皮びらん)

角膜の断面は5層構造になっていて、最も外側の層が角膜上皮です。角膜上皮に傷がつき、その下の層である基底膜にまで達する深い欠損を伴う場合を角膜上皮剥離といいます。上皮が脱落すると、痛みを感じる神経末端が露出され激しい痛みが出ます。結膜も充血し、まぶたが腫れます。コンタクトレンズや異物、外傷など原因はさまざまで、強いうずくような痛みと流涙が生じます。

眼球だけでなく、目の周りの痛みを伴う疾患

※以下の疾患は、医師の診断が必要です。下記疾患が心配な場合には、早めに医師の診断を受けましょう。

急性緑内障発作

眼の中には「房水」という液体が流れています。毛様体で作られる房水は虹彩を通過し、シュレム管から排出され、眼外の血管へ流れていくという経路で循環しています。この循環によって眼内に一定の圧力(眼圧)が発生し、眼球の形状が保たれています。眼圧が上昇すると視神経がダメージを受けやすくなり、緑内障になるリスクが高まるとされています。眼圧の急な上昇を放置すると網膜の神経細胞がダメージを受けます。いったん受けたダメージはもとに戻す対処法がないため、失明やそれに近い状態に至ってしまう場合もあります。

角膜と虹彩の間を隅角といいますが、ここが狭くなって房水が流れにくくなることを狭隅角といいます。いくつか種類がある緑内障の中でこの狭隅角が生じるタイプでは、房水が作られ続けるにもかかわらず、隅角から房水が流れにくくなり、分泌と排出のバランスが崩れ眼圧が上がってしまうのです。房水の排出が悪くなっていても、流れが多少残っている状態では慢性的な緑内障ですが、隅角が完全にふさがって排出口としての役割を果たさなくなる場合があります。排出が完全に止まるため、眼圧が急激に上昇します。これが急性緑内障発作です。

発作が起きると、目の激しい痛み、充血、羞明(眩しさ)、目のかすみが生じたり、頭痛や吐き気が起こることもあります。早い内に処置しなければ、非常に高い眼圧により視神経が著しくダメージを受けて、数日で失明する危険もあります。急性緑内障発作が疑われる場合は、なるべく早く眼科を受診するようにしてください。なお、眼圧が原因でない強い痛みやまぶしさは眼瞼痙攣(がんけんけいれん)の可能性も考えられます。この場合は、専門家の診断が必要となります。

副鼻腔炎

鼻(鼻腔)の周囲の骨の中には副鼻腔という空洞(場所によって、前頭洞(ぜんとうどう)、篩骨洞(しこつどう)、蝶形骨同(ちょうけいこつどう)、上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれます)があり、薄い紙のような粘膜に覆われています。この副鼻腔に起こる炎症を副鼻腔炎といいます。副鼻腔は鼻腔と狭い穴でつながっているため、副鼻腔に炎症が起こると分泌物が排出できず、炎症が悪化します。急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎があり、後者は蓄膿症とも呼ばれます。

急性副腔鼻炎は鼻腔や副鼻腔の粘膜にウイルスや細菌が感染したり、アレルゲンに反応し鼻アレルギーが生じたりすることによって起こるもので、鼻づまりと、黄色いねばねばした膿性の鼻水が症状として現れます。鼻以外の症状としては、頭痛や発熱、悪寒、目の痛みなどが現れます。かぜをひいたときの鼻腔の炎症により発症したり、咽頭炎、扁桃炎、むし歯などから起こる場合もあります。

慢性副鼻腔炎は、副鼻腔粘膜の炎症が長引き、はれ上がって鼻腔との交通路をふさいでしまい、さらに炎症が治りにくくなるという悪循環に陥った状態のことをいいます。鼻水がのどの方にいき、のどにも炎症を起こすことがあります。

群発頭痛

側頭部や片側の目の奥にえぐられるような強烈な痛みが15分~3時間程度、1日に2~8回発生し、ほぼ連日起こります。夜間または早朝に痛みで目が覚める場合もあります。一度この頭痛が生じると1~2カ月の間続き(この期間を群発期と呼びます)、ある日ぴたっとやんで、しばらく期間をおいて再び起こります(1~2年に1回ほどのペース)。痛みと同じ側の目の充血、涙、鼻汁などを伴って、痛みのためじっとしていることができません。

脳の血管が拡張し、それに神経が刺激されて炎症を起こすことが原因とされており、このとき目につながっている頸動脈が拡張することも痛みに関係していると考えられています。20~50歳代の男性に多く、ストレス、過労、飲酒が誘因になることがあります。特にヘビースモーカーや飲酒者に多く見られます。

群発頭痛の発作が疑われたら、できるだけ早く神経内科、頭痛外来を受診し、適切な治療を受けましょう。

眼精疲労・目の疲れで積極的に摂りたい栄養素「ビタミン」

ビタミン類は目のために積極的に摂りたい栄養素といえます。特に有用なのは、ビタミンB群、ビタミンA、ビタミンCです。

ビタミンB群は神経機能の維持、細胞の新陳代謝、筋肉の疲労回復に関わっており、タンパク質の吸収や充血の解消にも役立ちます。眼精疲労・目の疲れの一因として挙げられるのが、目を取り囲む筋肉の疲労で、ビタミンB1は筋肉から来る眼精疲労・目の疲れに対して効果的なだけでなく、目の正常な働きにも深く関係があります。また、角膜の健康維持に役立つビタミンB2や、神経の機能維持に関わるビタミンB6・B12も一緒に摂取するとよいでしょう。

ビタミンAは皮膚や粘膜の新陳代謝を助けており、結膜や角膜の正常な機能の維持に働きます。

ビタミンCはコラーゲンの生成に関わるため、目のレンズにあたる水晶体の透明度を保つのに欠かせません。

まとめ

朝目覚めてから夜眠りにつくまで、私たちは絶えず目を使って生活を送っています。人は外部からの情報の90%近くを視覚から得ているともいわれています。私たちの生活にとって大事な機能である視覚は、パソコンやスマートフォンなどの普及によってますます過酷な環境に置かれているといってよいでしょう。気になる症状がある場合は放っておかずに眼科を受診しましょう。また、症状がない場合でも、定期的に基本的な検査(視力検査、眼圧検査、眼底検査、視野検査)を受けることもおすすめです。

<参考文献 >
  • 若倉雅登「病気を見きわめる 目のしくみ事典」(技術評論社), 2017
  • 日本眼科学会
  • ビッセン宮島弘子「ウルトラ図解 白内障・緑内障」(法研), 2018
  • 野村馨 総監修「オールカラー版・家庭の医学【第2版】」(成美堂出版), 2014

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