元気の雑学

2012年6月20日公開分

Vol.21真夏でなくても油断禁物!紫外線と「疲れ」の意外な関係

はじめに

緑濃く爽やかな初夏の太陽の下、薄着で外出する機会も増えたのではないでしょうか。
今回は、春から強くなる紫外線による日焼けと疲労との関係についてお話をしたいと思います。

紫外線の正体とは?

この季節、巷を騒がす「紫外線」とは、一体どんなものでしょうか。
太陽の光には、図のように目に見える光(可視光線)のほかに、目に見えない赤外線や紫外線などが含まれています。紫外線(UV: Ultra Violet)とは、地表に届く光の中で最も波長(はちょう)の短いもので、その中でも波長の長いものからUV-A、UV-B、UV-Cの3つに分けられます。



紫外線が強くなるのは6〜8月

紫外線の強さは、時刻や季節、さらに天候などによって大きく変わります。同じ気象条件の場合、太陽が頭上にくるほど強い紫外線が届きます。1日のうちでは正午ごろ、日本の季節では6月から8月に最も紫外線が強くなります。
また、紫外線は雲やエアロゾル(大気中に浮遊する液体や固体の微粒子)によってさえぎられるため、快晴の時が最も強く、曇や雨などの場合には弱まります。


(月別紫外線照射量(KJ/m2/日))


(紫外線の強さの天候変動)

紫外線は本当に「悪者」なの?

悪いイメージばかりが先行している紫外線ですが、実は骨にとって重要なカルシウムの代謝を調節するビタミンDの合成を助けたり、スリッパや給食施設などの室内での殺菌に利用されるなど、人類にとって必ずしも「悪者」というわけではないのです。
しかし、生物が進化することによって水生から陸生になると、水中では少なかった紫外線に長くさらされることとなり、多くの問題が起こってきたのも事実です。
人類は最初、それぞれの皮膚の色が持つ紫外線への適応力に合った地域、つまり白人は紫外線量の少ない北方に、黒人は紫外線量の多い赤道付近に住んでいました。ところが16世紀の大航海時代以降に人類の移動が始まると、北に行った黒人は紫外線量が少ないために「くる病(ビタミンD欠乏症)」に、赤道近くに行った白人は紫外線量が多くなり「皮膚がん」になるという現象が見られるようになりました。現在では、緯度の違いだけでなく、オゾン層の厚さによっても紫外線量に影響があることがわかっています。
また、紫外線は目にも影響を及ぼし、雪目(白目の充血、目のゴロゴロ感、涙が多く流れる、ひどくなると強い目の痛み)などの紫外線角膜炎や、白内障(目の中でレンズの役割を担う水晶体が濁る)が起こることがわかっています。
これらのことを考慮すると、やはり紫外線は皮膚や目に対して有害な作用を及ぼす「悪者」の一面があるといえるでしょう。

目から日焼けする?疲れも感じる?

皆さんもご存じのとおり、紫外線に対する皮膚の主な防御反応は、メラニンの形成です。皮膚に紫外線を照射すると、照射された部位の皮膚が黒くなります。これが、初期の人類の生活場所(紫外線の照射量の違い)による皮膚の色の違いとなっていたのです。
しかし、近年の動物を使った研究によると、驚くことに目に紫外線を当てることでも全身の皮膚が黒くなるということがわかってきました。紫外線が目に当たると目の表層に炎症が起き、その刺激が脳に伝わります。ここから分泌される、メラニンを増やす作用のあるホルモン(MSH:メラニン細胞刺激ホルモン)が全身に行き渡って、皮膚でメラニンが作られることから皮膚が黒くなる、つまり日焼けするのです。したがって、目にも紫外線予防が必要であり、皮膚の対処だけでは日焼けを防げないということになります。
また、長い時間日光に当たると、運動などをしなくても「疲れた」と感じたことはないでしょうか。実は、紫外線を目に照射した動物実験によると、疲労の際に見られる物質が血中に増加していたことがわかりました。この原理も先に説明した「目から日焼け」と同様の仕組みで起きています。そして、この仕組みは人間がストレスを受けたときの反応とも同じなのです。

紫外線によるストレスには、ビタミンB1補給


紫外線が最も強くなるこれからの季節、予防をしないとメラニンによって皮膚が黒くなるだけでなく、疲労も起こしてしまいます。
紫外線やストレスがかかると、体はこれに対抗するため、ステロイドホルモンなどの合成とともに血液中のブドウ糖を増やすなどしてエネルギー代謝を活発にします。このため、ホルモン合成に必要なパントテン酸(ビタミンB群の一つ)や、ブドウ糖の代謝に必要なビタミンB1などのビタミンが必要になってきます。
海や山へ行き、日光に長時間当たって「疲れたな」と思ったら、ビタミンB1などビタミンB群の補給も考えるとよいでしょう。

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