元気の雑学

2011年9月16日公開分

Vol.15夏の疲れが出てくる秋口にウナギはいかが?

出典:武田薬報464号監修:宮城大学 理事・副学長、大阪市立大学 脳科学講座教授 井上 正康

はじめに

今回の主役「ウナギ」は、日本各地の川や湖に生息し、うな丼やうな重に代表される蒲焼きやひつまぶし、お菓子のパイ、アニメのキャラクター、はたまた映画のタイトルにいたるまで、守備範囲は幅広い。その歴史も古く、『万葉集』には大伴家持(おおとものやかもち)が夏やせにウナギを勧める「石麻呂にわれもの申す 夏痩せに よしというものぞ むなぎ(鰻)とりめせ」という歌もある。このように、昔から日本人の生活に馴染み深い食材にも関わらず、多くの謎に包まれているウナギ、今回はその生態と栄養についてご紹介します。

ウナギは旅人(魚)!?

ウナギは回遊魚でありながら、淡水と海水のみならず、陸上でも生息できる水陸両用生物でもあることは意外と知られていません。ヌルヌルした体表面の粘膜の奥には小さな鱗が約6万枚も埋まっており、呼吸の6割を皮膚呼吸でまかなっています。


ウナギの一生は松尾芭蕉や山頭火(さんとうか)も顔負けするほどの旅人(魚)なのです。日本の天然ウナギはフィリピン東方沖の深海で誕生し、黒潮に乗って約12,000kmの旅をしながら日本に辿り着きます。その頃にはシラスウナギと呼ばれる稚魚になり、川を遡上(そじょう)しながら淡水中で成長します。主に利根川以南の太平洋側の河川に生息し、10年ほどで成魚になり、産卵期を迎えると川を下り、再び南海のふるさとを目指して長い旅に出ます。
ゆったりとした彼らの遊泳速度に比べ、このように驚異的な長旅をする理由は不明であり、未だ多くの謎に包まれた魚ですが、近年、日本の研究チームによりその正確な産卵場所や時期などが少しずつ明らかにされつつあります。

近年の消費量は、まさに「ウナギ上り」

ウナギといえば忘れてはならないのが夏の風物詩「土用の丑の日」で、これは江戸時代に平賀源内が世間に広めたものが定着したと云われています。
近年の酷暑も手伝ってか現在でも国内のウナギ消費量はまさに「ウナギ上り」です。多くは浜名湖や東海〜四国・九州で養殖されていますが、国産だけでは足りず、中国を始めとする海外からも輸入されています。

ウナギにはスタミナ回復のビタミンB1が豊富!

今日のような蒲焼スタイルで食べるようになったのは江戸中期以降で、関西では腹開きにしていきなり焼きますが、関東では背開きにして蒸してから焼くのが通例です。
ウナギにはビタミンAやDのほかに、ご飯などの炭水化物を効率よくエネルギーに変えるビタミンB1も豊富なため、うな丼はスタミナ回復にもってこいの即効性抗疲労食といえます。天然ウナギの旬はこれからが本番。夏の疲れが出る秋口こそ、うな丼を食べたいものです。
厨房からこれ見よがしに漂ってくる匂いに耐えかねて「オーイ、オヤジさん、まだかいな〜!」


ウナギ目ウナギ科ウナギ属。稚魚の頃はシラスウナギと呼ばれ、成魚は全長1mを超える。日本各地に生息しているが、その生態はいまだ謎が多い。
食材として広く用いられ国内養殖が盛んなほか、台湾や中国などからも輸入をしている。旬は、天然ものが晩夏から冬なのに対し、養殖は初夏。
名前の由来は、ウナギが屋根の棟に使う棟木(むなぎ)のように細長いことから転じた、鰻の「曼」は「長い」という意味を持ち身長(むなが)と呼ばれていた、などの説がある。

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